公立夜間中学アンケート　入学希望や要望確認　札幌市教委

（市町村 2020-06-19付）

　札幌市教委は、公立夜間中学に関するアンケート調査結果をまとめた。戦後の混乱期などで就学の機会を失った高齢者や不登校などで学校に通えなかった人を対象としたアンケートＡと、外国籍市民を対象としたアンケートＢを実施。Ａでは、「夜間中学に入学したい・検討したい」と答えた人は合わせて５９人で全体の３２・３％、Ｂでは２０７人で全体の２４・７％となった。また、Ａでは公立夜間中学への要望として「７月や１０月にも入学を可能とする」「保健室の先生などを配置し、相談しやすい体制にする」などの項目が上位を占めた。

　アンケートは、公立夜間中学への入学ニーズや期待する内容を把握するために実施したもの。期間は、ことし１月２１日から２月２５日まで。

　戦後の混乱期などで学べなかった高齢者や不登校などで通えなかった人を対象としたアンケートＡと、外国籍市民を対象としたアンケートＢを実施。実施に当たっては、市の自主夜間中学や不登校経験者などへの支援団体、市国際部の協力を得た。

　Ａは１８３件、Ｂは８３８件の回答があった。

　Ａでは、「公立夜間中学が設置されれば入学したいか」という質問に対して、「入学したい」が２１人で全体の１１・５％。「入学を検討したい」は３８人で２０・８％、「入学は難しい」は４５人の２４・６％、「入学しない」は５１人で２７・９％、無回答は２８人で１５・３％となった。

　入学を前向きに考える理由については、「小・中学校の勉強をやり直したい」「社会常識を身に付けたい」「読み書きを覚えたい」など、公立夜間中学への要望として「入学を４月のみならず、７月や１０月などにも入学を可能とする」「保健室の先生などを配置し、相談しやすい体制」「小学校の勉強も学べるようにする」などがそれぞれ上位を占めた。

　Ｂでは、「公立夜間中学が設置されれば入学したいか」という質問に対して、「入学したい」が６１人で全体の７・３％、「入学を検討したい」が１４６人で１７・４％、「入学しない」が５７３人で６８・４％、無回答が５８人で６・９％となった。

　入学を前向きに考える理由については、「日本の文化や社会の理解」「日本語を話せるようになる」「日本語を読み書きできるようになる」が上位を占めた。

(市町村 2020-06-19付)