後志局 初のオンライン授業研修会 学習支援の在り方理解 管内29会場つなぎ300人(道・道教委 2020-06-24付)
仁木中の会場
【小樽発】後志教育局は18日、「誰でもできる」オンライン授業研修会を開いた。新型コロナウイルス感染症の今後の影響を踏まえた初の試みで、教育局と管内各市町村教委や学校など29会場をインターネットで結び、約300人が参加。事例発表やオンライン授業体験を通して、ICTを活用した児童生徒の学習支援の在り方について研修を深めた。
新型コロナウイルス感染症の発症状況に応じて、再度臨時休業や分散登校を行わなければならないことを想定し、ビデオ会議システムを活用した事例発表やオンライン授業体験を通して、ICTを活用した児童生徒の支援の在り方について理解を深めるために開いた。
後志合同庁舎からビデオ会議システムZoomで配信した。
冒頭、中澤美明局長があいさつし、「新型コロナウイルス感染症への対応が長期化する中、再び臨時休業や分散登校となる可能性がある。学びを保障し、確かな学力を身に付けさせることが大切」と強調。そのためにはオンライン授業が効果的で、準備を進めるよう呼びかけた。
次いで、喜茂別町立喜茂別小学校の木村明彦校長が、臨時休業期間中における取組について事例発表。
町教委や保護者の協力のもと、ポケットWi―Fiやタブレットを整備し、オンライン授業づくりなどの準備を6日間で実施。インターネット電話SkypeやZoomを使い、5・6年生の国語、社会、算数で1コマ30分のオンライン授業を行ったことを伝えた。
実施後、保護者から、「一人で勉強するより緊張感をもって勉強できていた」「先生や同級生の顔を見ながら学習することができ、安心感があった」「少しでも遅れを取り戻せると思った」などと好意的な感想が寄せられ、児童も「みんなと毎日会っているようで楽しい」「やる気が出た」「一人で学習するより分かりやすかった」と話していたという。
今後は、対象学年・教科の拡充、必要機材、ICT機器を活用した授業改善に向けて準備を進め、町内小学校との遠隔合同授業、町内教育関係団体の会議など発展的に活用していく考えを示した。
このあと、義務教育指導班の金本真一指導主事が授業に活用できるZoomの機能や留意点について演習を行った。
話している人が大きく見えるスピーカービューと、全員の顔が見えるギャラリービューの画面の切り替えや使い分け、音声の切り替え、ハンドサインのルール、児童生徒の画面に映らない部分には黒板にラインを引いておくなどの技術を紹介。「言葉は短くゆっくりと話すことが大切」「ハンドサインを用いるなど確認をしっかりと」「授業の時間は短めに」の3つを強調した。
質疑応答では、参加者からZoomに他者が侵入するセキュリティの問題についての質問があった。
最後に、中澤局長は「オンライン授業は感染症対策だけではなく、暴風雪のときや不登校の子にも効果を発揮できそう」とし、授業参観や小規模校同士の研修、小中連携などにおける活用に期待。「オンライン授業は、使っていくうちに様々なアイデアが生まれ、発展していく。むしろ、児童生徒から学ぶ場面があるかもしれない。今後も管内全体でオンライン授業を推進していきたい」「学校が開始した今、準備を進め、いざというときに備えてほしい」などと呼びかけた。
参加者の一人は「金本指導主事のイラストによる指示が見やすく、Zoomの使い方や実際の授業をするときの配慮がよく分かった」と話していた。
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後志合同庁舎の配信会場
(道・道教委 2020-06-24付)
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