学校図書館司書常駐化　授業支援、学力充実へ　南丘小など３校に　紋別市教委

（市町村 2020-06-24付）

南丘小で業務に当たる下村司書

　【網走発】紋別市教委は、今月から常駐の学校図書館司書の配置を開始した。配置校は、紋別小学校、潮見小学校、南丘小学校の３校。児童生徒がいつでも本にふれ合える環境づくり、授業支援の充実を図り児童生徒の学力向上につなげる方針だ。

　市教委は、平成２５年度から各学校図書館への巡回司書を配置し、市立図書館との連携を図りながら学校図書館の運営および支援、助言を行ってきた。

　一方、巡回司書は訪問曜日が不定期のため、児童生徒へ直接働きかける機会が少なく、図書の貸し出しにつながりにくいことや、教職員が授業や学習で日常的に活用することができず、授業準備や教材研究での活用が少ないといった課題もあった。

　本年度から小学校で全面実施となった新学習指導要領では、主体的・対話的で深い学びが求められていることから、市教委では、学校図書館で調べ方・学び方を身に付けられるようにするため、レファレンス機能を担う学校図書館司書の重要性に鑑み、常駐化を検討。

　前年度は、文部科学省委託「学校図書館ガイドラインを踏まえた学校図書館の利活用にかかる調査研究」の研究指定校となった南丘小と紋別中学校を中心に、常駐化を見据えて学校図書館司書の役割などについて研究を進めてきた。

　本年度、巡回司書２人を継続配置するとともに、新たに常駐の学校図書館司書を３人採用。４～５月の研修を経て、紋別小、潮見小、南丘小の３校に１人ずつ配置した。

　南丘小に配置された下村厳美司書は、前年度まで巡回司書として勤務し、市内各学校図書館の充実に尽力。特に、南丘小の公開研究会では教諭とのチーム・ティーチングで授業に臨んだ。

　今後は、授業での活用が増えるよう、「子どもたちや先生方がどういう本が必要かを考えて、蔵書の充実などに取り組んでいきたい」と話す。同校の蔵書だけでは補えない部分もあるため、市立図書館との連携にも力を入れていくとしている。

　南丘小の鈴木義樹校長は、学校図書館司書が常駐化したことで「学校図書館の開館時間を延ばすことができ、子どもたちが利用しやすくなった。読書習慣の確立につながれば」と期待している。

(市町村 2020-06-24付)