道研　学校のクラウドサービス活用支援　７月からオンライン研修　フォローアップも徹底

（道・道教委 2020-06-29付）

オンライン研修では環境整備のポイントを示した

　道立教育研究所は、ＧＩＧＡスクール構想の実現に向けたクラウドサービス活用への支援に力を入れている。２５日、初めて市町村教委向けにオンラインで開講した「ＧＩＧＡスクール構造の実現に向けたクラウドサービス活用研修」では、サービスの導入・運用に関する環境整備のポイントを説明。今後は学校への段階的な支援を計画しており、７月末から８月ころに市町村教委と連携したスタートアップ研修をオンラインで実施する一方、、自己研修用マニュアルの提供、授業での活用に関する研修の実施などでフォローアップにも努めていく。

　研修は、クラウドサービスの活用に向け、市町村教委等の教育関係機関が環境整備や学校への支援方策について理解を深めることが目的。ビデオ会議システムＺｏｏｍで各地を接続し、同所から教委や教育局など約９０ヵ所・約１５０人に向けて配信した。

　附属情報処理教育センターの松山淳一郎主査と山寺潤主任研究研修主事が研修を進行。クラウドサービスの運用で変わる仕組みや学習などといった基礎知識やや、端末・ネットワーク・クラウドが三位一体となって改革するＧＩＧＡスクール構想の実現に向けた取組について説明した。

　つぎに、市町村教委等の教育関係機関がクラウド活用の環境整備を行うに当たっての具体的な流れや、今後、道研が行う支援の見通しを示した。

　前提として、教職員・児童生徒が無料で利用できるクラウドサービスは、個人単位ではなく、学校・教委などの組織単位で登録しなければならないことを説明。登録までにかかる料金や、自治体全体で統一されることの利便性を踏まえ、各学校ではなく市町村教委がまとめて登録することのメリットを伝えた。

　クラウドサービス利用開始に当たって、市町村教委等が行うべき①インターネット上の教育機関として認証し、ｅｄドメインを取得する②インターネット上のアドレス帳（ＤＮＳ）に登録する契約を行う③クラウドサービス事業者ホームページから利用申請する④ＤＮＳへの登録データを提供する―の流れを提示した。

　①では、ｅｄドメイン取得の具体的な方法を説明。登録代行業者を通して登録し、登録時のみ料金がかかることを伝えた。

　また、②の運用も①と併せて行っている業者が多く、こちらは月額で料金がかかることから、自治体単位で登録することでコストを削減できることを示した。

　この研修を踏まえ、今後は、本年度からスタートしたプロジェクト研究「未来の教育」の在り方に関する研究における「ＩＣＴ環境の整備」を進める中で、市町村教委と連携した学校支援を計画。７月末から８月ころには、教員が実際にクラウドサービスを体験できるスタートアップ研修をオンラインで行う。

　さらに研修後のフォローアップとして、校内（自己）研修用オンラインマニュアルの提供や、授業での活用に関する研修なども実施。マニュアルは、ＰＤＦのテキスト形式と、テキストに対応した「グループ用チャットルームの作成」「事後アンケートの作成」など、段階ごとに短時間でまとめた動画を準備している。

(道・道教委 2020-06-29付)