【解説】国立大施設整備の方向性

（解説 2020-07-13付）

　文部科学省は、次期国立大学法人等施設整備計画策定に向けた中間まとめを公表した。国立大学等に対して「共創」の拠点としての役割が求められていることや、施設整備の方向性として、新たにイノベーション・コモンズの実現を目指すことの重要性を提示。今後、国と国立大学等は戦略的リノベーションを中心として老朽施設の改善整備に早急に取り組む必要性を示している。

　文科省はこれまで、今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議を開催し、今後の国立大学等の施設整備にかかる方向性や推進方策について検討してきた。

　国立大学等の施設については「教育研究活動の基盤であり、その施設の整備充実を図っていくことはわが国の未来を開き、成長・発展へと導くもの」と定義。これまで、４次にわたって施設整備に関する５ヵ年計画を策定し、重点的・計画的な整備を進めている。

　第４次国立大学法人等施設整備５か年計画の計画期間は本年度まで。その後の施設整備の方向性と今後の取組等を検討する必要があることから、協力者会議で検討を進めている。

　中間まとめでは「市民・行政・教育研究機関・企業等、社会との連携によって、創造活動を展開する“共創”の拠点となることが期待されている」と指摘。今後の国立大学等における施設整備は、キャンパス全体を“共創拠点”“イノベーション・コモンズ”としてとらえ、その充実を図る必要性を示した。

　次期計画においては、「戦略的リノベーション」等による老朽改善整備の加速化に必要となる財源の確保や施設マネジメントなどを推進する必要性を挙げた。

　今後、１２月ころに最終報告を公表。文科省は、年度内に最終報告を踏まえた次期計画を策定する予定。

(解説 2020-07-13付)