【解説】農水省　元年度食育白書

（解説 2020-07-20付）

　農林水産省は、前年度の食育推進施策を整理した『令和元年度食育白書』をまとめた。

　白書は、第１部「食育推進施策をめぐる状況」、第２部「食育推進施策の具体的取組」、第３部「食育推進施策の目標と現状に関する評価」の３部構成。

　第１部では、特集「若い世代を中心とした食育の推進」として、食育の推進に当たっての方針などにふれた第３次食育推進基本計画から若い世代の食生活の現状や考え方、食育の事例を紹介。若い世代の小学生や中学生、１６～１８歳の食生活について、「１日３食をいずれも決まった時間に取っていた」と回答した割合は、年代が上がるにつれて「当てはまる」とした割合が減少していることなどを示した。

　第２部では、家庭における食育の推進として、文部科学省が国立青少年教育振興機構と連携・協力し、全国１２ヵ所で実施している早寝早起き朝ごはん推進校事業の事例などを提示。

　また、学校、保育所などにおける食育の推進として、学校給食を活用した食品ロスの削減と地産地消の推進についての実践を紹介しているほか、地域における食育の推進として、各省庁や自治体が実施している子ども食堂の取組を取り上げている。

　第３部では、食育推進施策の目標と現状に関する評価について分析。目標値と現状値の比較では、「中学校における学校給食実施率」「地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理や作法などを継承している若い世代の割合」などの項目で目標を達成していることを報告している。

　一方で、「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を１日２回以上ほぼ毎日食べている若い世代の割合」が３７・３％と、目標値の５５％以上の達成に向けて課題があることを指摘している。

(解説 2020-07-20付)