【解説】国立大入試で追試験実施へ

（解説 2020-07-15付）

　国立大学協会は１３日、令和３年度入学者選抜実施要領の改訂を公表した。新型コロナウイルス感染症罹患者の受験機会確保のため、前期日程と後期日程以外に、３年３月２２日から前期・後期日程の追試験を実施する。罹患者のほか、濃厚接触者の該当者や試験日に３７・５度以上の熱がある人なども対象で、各大学が判断する。

　国立大学の入試は、第１次試験として高校等における基礎的教科・科目の学習の達成度を測る大学入学共通テストを実施。第２次試験として、各国立大学で個別試験を実施している。

　個別試験は前期日程と後期日程に分離し、募集人員を分割する方式（分離分割方式）。各国立大学の自主的な取組によって、学校推薦型選抜、総合選抜、社会人や帰国生徒・外国人留学生を対象とした選抜などの入試も行っている。

　協会は入学者選抜実施要領改訂に当たり、分離分割方式や大学入学共通テストにおける「５教科７科目の原則」を堅持しつつ、入学志願者が安心して受験に臨めるよう、新型コロナウイルス感染症に罹患した入学志願者の受験機会を確保するため、追試験の設定を含む方策をまとめた。

　具体的には、これまで示していた前期日程（２月２５日～）、後期日程（３月１２日～）のほか、３月２２日から前期・後期日程の追試験を実施する。

　追試験の対象者は、新型コロナウイルスに罹患し、試験日までに医師が治癒したと診断していない人、試験直前に保健所などから濃厚接触者に該当するとされた人、発熱・咳などの症状があり、試験当日の検温で３７・５度以上の熱がある受験生を基本とし、各大学で判断する。

　なお、北海道大学では新型コロナウイルス感染症の影響で、３年度入選要項を７月３０日に公表する。

(解説 2020-07-15付)