附属釧路中が授業力向上セミナー　遠隔授業の利点を共有　オンラインで全国から１４人

（学校 2020-07-22付）

右側の部屋でオンライン授業を行い、左側の部屋から参加者に配信した

　【釧路発】道教育大学附属釧路中学校（早勢裕明校長）は１８日、オンラインでの授業力向上セミナーを初めて開催した。全国各地の中学校教員など１４人が参加し、社会科の遠隔授業の様子をオンラインで視聴。遠隔授業の利点や、今後の課題などを学んだ。

　同校では、臨時休業期間中、ウェブ会議システム「Ｇｏｏｇｌｅ　Ｍｅｅｔ」と、双方向学習を支援するためのクラウドサービス「ロイロノート」を組み合わせた遠隔授業を全面的に実施。学校再開後も、タブレット端末でロイロノートを使った授業を展開している。

　今回は、教員の授業力向上および遠隔授業の普及啓発などの観点からセミナーを開催。東京都、富山県、長崎県など全国各地の国立中学校教員を中心に１４人がＧｏｏｇｌｅ　Ｍｅｅｔを介して参加した。

　配信した授業は２年社会科、単元「世界からみた日本の姿」の３時間目。眞島良太教諭が日本の河川と扇状地、三角州の関係を考えさせる遠隔授業を展開した。眞島教諭は、グラフや写真を生徒と共有しながら、様々な発問を通して、日本の河川は急流であること、扇状地は上流に、三角州は下流に形成されることを考えさせながら理解させた。

　その上で、扇状地、三角州でどのような農業が営まれているか発問。生徒は地図帳で確認するなどし、上流、下流の土質が関係していることを理解した。

　引き続き、眞島教諭と参加者がＧｏｏｇｌｅ　Ｍｅｅｔで事後研究を実施。助言者として、道教育大附属釧路小学校の内山隆校長も参加した。

　参加者からは、提示した課題について考えさせる時間の保障の在り方など、多くの質問が挙がった。生徒の機器操作の熟練度や、理解度を推し量る方法などで課題があることを共有した。

　内山校長は、対面の授業でも活用できる要素が多くあったとし「（デジタルの）提出物を蓄積することでポートフォリオになり、個別最適化につながる」と指摘。授業開始前に生徒と和やかにコミュニケーションが取れていたことにふれ、「可能性を感じた」と評価した。

(学校 2020-07-22付)