ICT活用で新学習スタイル 生徒が主体的に学ぶ場を 十勝局・本別高が研修会開く(道・道教委 2020-08-06付)
田井中教諭が動画制作のポイントを示した
【帯広発】十勝教育局と本別高校(近藤浩文校長)は7月29日、「ICTを活用した授業改善プロジェクト」特別企画として研修会を開催した。管内の高校教諭9人が参加。家庭で視聴できる動画教材を活用した「新たな学習スタイル」での授業を視察。公開された数学Ⅱと化学基礎の授業と研究協議、動画教材の作成手順の説明などを通して、新たな学習スタイルについて理解を深めた。
研修会は、6月3日に道教委から各教育局教育支援課長、各道立高校副校長・教頭などあての通知「高校における学校再開後の学習指導について」に準拠して行った。主催は十勝教育局と本別高。ICTを効果的に活用した授業改善プロジェクトの一環として、高校の授業を視察することによって指導力の向上を図るもの。
この日、管内の教職員9人が本別高の天野僚一教諭による化学基礎(1年生28人)、田井中秀人教諭による数学Ⅱ(2年生34人)の授業を参観した。
本別高では、本別高校の教育を考える会からポケットWi‐Fiやパソコン、タブレット端末などの貸与を受けている。また、道教委に動画共有サイトYouTubeなどのSNS利用を申請し、教員が自作した動画教材を使って臨時休業中の学びの保障に努めてきた。
天野教諭の化学基礎の授業では、同校の新たな学習スタイルの基礎的・基本的な内容の定着を中心にした授業を展開。前時の授業の中で家庭学習用のワークシートを配布し、家庭学習における動画教材を視聴することを通して内容の理解を深めさせたあと、ワークシートに取り組ませた。
授業では動画の内容を口頭で解説し、問題演習を通して基礎的・基本的な内容の定着を図った。
田井中教諭は、新たな学習スタイルとして、生徒が主体的に学ぶ場面を中心にした授業の展開を図った。前時の授業でプリントを配布、家庭での予習で動画教材による問題の解説と例題を示し、解法を説明した。
授業においては、動画教材の補足説明をしたあと、プリントの演習問題に取り組ませた。演習問題には4段階のレベルを設定。段階ごとに取り組む問題や、解法を説明すること、類題への挑戦と難易度を設けた。授業の後半では黒板の問題を生徒に解かせ、解法について全体に説明させた。
このあとの研究協議で、田井中教諭は、新しい学習スタイルの実践によって、生徒の予習に対する態度が積極的になったこと、生徒の理解度の高まりを感じていることを紹介した。
また、動画教材の制作手順を説明。ワープロソフトで文章をつくり、プレゼンテーションソフトに張り付け、ペンタブレット端末でデータを書き込みながら、パソコンの画面を録画して動画制作する手法を紹介。タブレット操作よりもパソコン操作による動画制作の方が効率がよいことを伝えた。参加者は効率的な動画制作の方法について知識を深めた。
(道・道教委 2020-08-06付)
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