【解説】地域に支持される高等教育

（解説 2020-08-06付）

　文部科学省は、「地域連携プラットフォーム構築に関するガイドライン～地域に貢献し、地域に支持される高等教育へ」案をまとめた。大学、地方自治体、産業界等が地域の将来像を議論するプラットフォームの構築・運用を円滑に進めるために作成するもの。参画主体に教育委員会や中学校・高校の校長会などを例示し、役割を示した。９月２日までパブリックコメントを実施している。

　平成３０年１１月、中央教育審議会は文部科学大臣に「２０４０年に向けた高等教育のグランドデザイン」を答申。大学進学者数の大幅な減少等を見据え、地域の大学が地方自治体、産業界などとともに将来像の議論や連携、交流の企画を行う地域連携プラットフォームの構築を提言した。

　ガイドラインは、各地域でプラットフォームの構築・運用を円滑に進め、具体的な取組に向けた主体的な議論が行われる際の参考となるよう作成。

　案ではプラットフォームの必要性と意義、体制整備、運営などの考え方を整理。対象地域として都道府県、都道府県以外の生活・経済圏、広域ブロック経済圏など複数を想定し、連携の在り方を示した。

　参画主体、参画レベル、期待される役割も挙げており、初等中等教育からの接続の観点から、都道府県・市町村教委、中学校・高校の校長会などを例示した。教育委員会や高校に期待される役割として、大学等への進学希望・実態などの各種データの調査・提供、進学率向上の取組や進路指導の見直しなどを示した。

　設置方法は「大学等の主導」「地方公共団体の主導」「経済団体の提案」の３種類。大学等がプラットフォーム構築に向けた意思疎通を十分に図り、当初から地方公共団体の関与や理解・協力を得ることが重要としている。

(解説 2020-08-06付)