【解説】新型コロナ　偏見防止を

（解説 2020-08-26付）

　文部科学省は、新型コロナウイルス感染症に関する差別・偏見の防止に向けた文部科学大臣メッセージを発表した。児童生徒等・学生、学校関係者、保護者・地域住民向けの３種類を用意。学校関係者に対しては感染症予防のための指導の要点を示し、１０月に差別・偏見防止のための啓発動画の作成を予定していることを伝えた。

　６月からの学校再開後、一部の地域では児童生徒や学校関係者の感染事例が発生。感染者に心ない言葉をかけられるなどの事例が起きている。

　文科省は４月、日常の保健指導を念頭に置いた指導資料を作成。感染症を理由とした差別・偏見でつらい思いをした児童生徒のため、２４時間子どもＳＯＳダイヤルなどの相談窓口を周知した。

　教職員をはじめとする学校関係者へのメッセージでは、感染症予防のためには運動・食事・休養・睡眠の調和のとれた生活を続けることが有効であること、正確な情報や科学的根拠に基づく行動を行えるようにすることなど、指導の要点を５点示し、医療従事者や社会活動を支える人たちへの敬意や感謝を伝えるよう求めた。また、感染症に対する不安から陥りやすい差別や偏見について考え、適切な行動を取るための啓発動画を１０月に作成するとした。

　児童生徒等・学生に対しては、新型コロナウイルスは誰もが感染する可能性があるとし、感染者や症状のある人に思いやりの気持ちをもつよう呼びかけた。

　保護者・地域には、衛生管理を徹底して一層の感染を防ぐことが重要とし、感染者に対する差別や偏見、誹謗中傷に同調しないよう要請。学校における感染症対策と教育活動の両立に対する理解・協力を求め、最新の科学的知見を生活に生かすよう呼びかけた。

(解説 2020-08-26付)