適切な評価の重要性確認 道研連が研究発表大会開く
(関係団体 2020-09-04付)

道研連研究発表
オンラインで107人が参加

 道教育研究所連盟(=道研連、委員長・鈴木淳道立教育研究所長)は8月28日、オンラインで第75回道教育研究所連盟研究発表大会上川大会兼第62回全国教育研究所連盟道地区研究発表大会を開いた。国立教育政策研究所教育課程研究センター基礎研究部の二井正浩総括研究官による講演やパネルディスカッションなどを通して、資質・能力の向上を目指した。二井総括研究官は、身に付けさせたい能力を適切に評価する方法をもつことの重要性を指摘した。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、ウェブ会議システムZoomによって、道立教育研究所と国立教育政策研究所から各教育研究所・センターなどに配信。全道各地からオンラインで107人が参加した。

 所長研修会では、「コロナ禍における学校経営および研究所・センター経営」をテーマにパネルディスカッション。鈴木委員長、札幌市教育センターの紺野宏子所長、上川教育研修センターの福家尚所長、岩見沢市立教育研究所の渡邉強所長がパネリストを務め、それぞれ現状を報告。コロナ禍での課題や次年度に向けた方向性を協議した。

 全体会では、鈴木委員長があいさつ。新型コロナウイルス感染症によるピンチをチャンスととらえ、ICTの積極的な活用を呼びかけていく姿勢を示した。

 国立教育政策研究所長で全国教育研究所連盟の中川健朗委員長が祝辞。「子どもたちがこれから生き抜いていく混とんとした未来の一端が今示されている」とし、臨機応変な対応の必要性を指摘。社会の変化に伴い、「教育の在り方も一層の進化を遂げなければならない」と強調した。

 共同研究の紹介では、道研研究・相談部研究研修主事で令和2年度共同研究推進委員会の浅部航太副委員長が研究主題「学びに向かう力の育成に向けた指導と評価の在り方」のもと進めている第17次共同研究(2~4年度)の経過報告を行った。

 パネルディスカッションでは、道研企画・研修部の松永祐子主査と上川教育研修センターの小林豊研究員がパネリストを務め、「新しい研修の在り方と学校への支援」をテーマに討論した。

 つぎに、国研の二井総括研究官が「教育研究所・センター所員の資質能力の向上に向けて~学びに向かう力等を育成するための指導と評価の在り方について」と題して講演。

 評価されるものを身に付けようとする子どもの特質を踏まえ、身に付けさせたい能力を適切に評価する方法をもつことの重要性を指摘。一方、評価が子どもをランク付けしてしまい、不登校など多くの教育問題にも関係していると述べた。

 新学習指導要領の「学びに向かう力、人間性等」の評価方法である個人内評価について、子どもにとって外在する基準に基づく相対評価や絶対評価と異なり、内在する基準に基づき、個性をとらえ成長を判断する評価であることを解説した。

 このあと、「主体的に学習に取り組む態度を育てる方法」などをテーマにグループ協議を実施した。

(関係団体 2020-09-04付)

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