食のマーケティング講座開く　ｅコマースの利点学ぶ　静内農高全校生徒１２１人受講

（学校 2020-09-08付）

国分北海道の大谷氏が講演した

　【浦河発】静内農業高校（佐藤裕二校長）は８月２５日、同校で商品開発や流通、食の魅力発信を学ぶ「食のマーケティング講座」を開催した。講師の国分北海道㈱執行役員マーケティング部長兼マーケティング部開発課長の大谷武史氏が、食品流通の基本やｅコマースによる販売などについて講話。生徒たちは、卸売業の役割を理解しながら農業と食に関する知識を蓄えた。

　各分野の専門家による農業にかかわる特別授業「優駿桜国ゼミナール２０２０」の一環。２回目の今回は、道内２６校の農業高校が生産した農作物や加工品をインターネット販売する「ｅコマースによる“ほっかいどう農業高校大会２０２０”ｏｎ札幌テレビネットショッピング」事業の立役者である国分北海道の大谷氏を講師に、全校生徒１２１人が食のマーケティングについて学んだ。

　大谷氏は、卸売業の役割や卸売業の中での商品開発をはじめ、ｅコマースでの販売事例と北海道の食の魅力を国内外へ発信する活動を紹介した。生徒からの「商品開発する上での心がけは」の質問に、「素材に付加価値をつけることが大切。商品を手にしたお客様が笑顔になれる商品となるよう力を合わせて」とアドバイスした。

　大谷氏は「ネットによる販売は、その商品のストーリーや思いを文章に乗せて伝えることが大切。講演をきっかけに子どもたちが生産物への思いをもって、どんな仕掛けにつながるのかを考えるきっかけにしてほしい」と期待を寄せた。

　佐藤校長は「コロナ禍において対面による直接販売ができな状況は農業高校の教育活動での大きな課題となっていた」と現状を打ち明ける。

　その上で、「企業の協力を得て実践するｅコマースの取組は、コロナ禍における次世代の子どもたちを育てる生きた知識となった」と話していた。

(学校 2020-09-08付)