【解説】萩生田文科相　再任会見

（解説 2020-09-24付）

　萩生田光一文部科学大臣は１８日、再任後初の記者会見で、成績情報や学習記録などの情報を進学後に引き継ぐため、マイナンバーカードの活用を検討する考えを示した。各市町村における１人１台端末の整備については想定の速度で進んでいない実態にあるとし、９月以降の早期整備に向けた取組を各自治体と連携して進めるとした。

　萩生田大臣は、デジタル化の対応を含めて新たな学びの方向性を確実に打ち出すことが新体制で取り組む重要な課題と強調。菅義偉首相からは、今後の教育再生実行会議においてデジタル庁の設置を前提として幼少期から高等教育、科学技術の研究に関するデジタルの在り方を議論するよう指示されたことを明かした。

　少人数学級に関しては、本格移行に向けて全力で取り組んでいく考えを表明。１人１台端末の整備が想定した速度で進んでいない実態を受け、９月以降の早期整備や今後の活用方法について、各自治体と連携して取組を進めるとした。

　また、ＩＣＴに精通した人材を選任した自治体の例があることから、今後の地方教育行政の模範となるよう、優良事例を全国に展開するとした。

　学校生活の様々な情報を進学後にも引き継ぐことができるよう、教育データの効果的な利活用に向けた環境整備を進めていく考えを表明。成績情報や学習記録などの教育に関する情報の引き継ぎに当たり、マイナンバーカードのＩＣチップを活用することが考えられるとし「マイナンバーカードの普及を見据え、活用方法や可能性について検討したい」と述べた。

　旧規格の机ではタブレットを置くには手狭であるとし「令和の時代の教室では、４０人の教室は限界がある」と指摘。ＩＣＴの有効活用に向けても少人数学級が必要であるとした。

(解説 2020-09-24付)