北見市常呂中　がん教育推進校　命の大切さ　主体的に学習　進め方検討　外部講師授業も

（学校 2020-10-01付）

　【網走発】道教委が文部科学省の委託を受けて実施している、がん教育総合支援事業の本年度推進校・北見市立常呂中学校（山中高弘校長）は事業計画をまとめた。新学習指導要領の全面実施に向けて、がん教育の考え方・進め方について検討するほか、クオリティ・オブ・ライフ（＝ＱＯＬ）や命の大切さと自己の生き方などについて主体的に考える授業実践を推進する。１２月上旬ころに外部講師を招いた授業などを予定。授業の公開方法については、現在検討している。

　道教委は、平成２６年度から文科省の委託を受けて事業を実施し、がん教育の推進を図っている。

　本年度の推進校に決定した常呂中はこれまで、保健体育の授業で生活習慣病や、喫煙・飲酒・薬物の害とのかかわりなどの学習を通して、がんにかかるリスクなどについて学習してきた。

　また、事業の担当教諭は令和元年度中央研修「健康教育指導者養成研修」を受講。その後、網走地方教育研修センターの講座で講師を担当し、研修の内容をオホーツク管内の教諭らに還流した。

　本年度は、中学校新学習指導要領で新たにがん教育について取り扱うことが明記されたことを踏まえ、３年度からの全面実施に向けて、がん教育についての内容を学校全体で共通理解を図り、生徒にがんの疾病概念、予防方法、検診の意義などを指導。がん予防への理解を深めさせる。

　また、人間尊重の精神に基づき、がんや、がんと向き合う人々について学ぶことを通して、自他の健康と命の大切さを知るとともに、自己の在り方や生き方を考える態度の育成を目指す。

　１２月上旬ころにがん教育に関する２授業を実施する予定。

　いずれも保健体育の一環で、現在指導案の検討などを進めている。

　一つは、３年生を対象に、がんの予防方法やがん検診の重要性について理解させる授業を行う。

　もう一つは、外部講師を招いた授業を、２・３年生を対象に実施。

　がん経験者の講話を通して、がんについて正しく理解することの意義、治療後の生活の質を大切にする考え方、共に生きる社会づくりを目指す態度を育成する。

(学校 2020-10-01付)