札幌市札苗北中が生徒指導研　ＳＮＳトラブル　対応は　スクールロイヤー講師に

（札幌市 2020-10-07付）

教職員３４人が参加

　札幌市立札苗北中学校（山田悟校長）は１日、校内研修・生徒指導研修会を開いた。教職員３４人が参加。札幌市教委が委嘱したスクールロイヤーの黒坂頌胤弁護士が講師を担当し、様々な事例を示しながらＳＮＳの投稿に起因するトラブルへの対応やいじめに関する調査の在り方などを解説した。

　市教委は、市立幼稚園・学校において、いじめをはじめとする生徒指導等への対応について、子どもの最善の利益を念頭に置きつつ、教育委員会・学校が法的側面からの助言を受けられるよう、スクールロイヤーによる支援体制を構築。対応が困難な諸課題の解決に努めている。

　札幌弁護士会が推薦する弁護士をスクールロイヤーに委嘱。対応が困難な諸課題の解決に向けた教育委員会・学校に対する法務相談などの業務を推進している。

　札苗北中は、事業を活用し、校内研修の一環で生徒指導研修会を初開催。スクールロイヤーの黒坂弁護士が、弁護士の見地から生徒指導・生徒相談の在り方について講義した。

　黒坂弁護士は、ＳＮＳの投稿に起因するトラブルについて、身近に起こり得ること、実際に起こっている事案を例示。事前に啓発活動を行うなど、生徒や保護者に対してＳＮＳに関する法的な知識を理解させる必要性を示した。

　いじめ問題については「加害者と被害者の両方から事情を聞く必要がある」「生徒指導上の必要性と生徒の権利・利益の配慮の双方のバランスが重要」などと、調査の在り方を提示。また、「指導の前提として、事実関係を正確に把握することが必要」「問題解消と再発防止に向けた指導の観点が重要」など、加害児童生徒に対する指導の在り方を説いた。

　参加者からは「生徒指導に関する従来の取組を振り返り、今後は法的視点からとらえて対応していくことも大切であることが理解できた」「教師側だけではなく、生徒、保護者に対しても法的な見方を啓発していくことが重要であることが伝わった」などの感想が寄せられた。

(札幌市 2020-10-07付)