【解説】教育再生調査会の初会合

（解説 2020-10-15付）

　自民党は１３日、これまでの教育再生実行本部に替わる教育再生調査会の初会合を開いた。公明党提案の「仮称・受験生等支給給付金～“頑張ろう”応援金」について協議。会議後の記者会見で萩生田光一文部科学大臣は、浪人生も対象にした場合、趣旨や目的が不明瞭になるなどの課題があるとし、今後の協議で方針を固める考えを示した。

　「仮称・受験生等支給給付金～“頑張ろう”応援金」は、新型コロナウイルス感染症の影響で不安を抱える高校卒業見込者、浪人生を応援するため、大学入学共通テストの検定料相当額である２万円を支給するもの。

　公明党の新型コロナウイルス感染症対策本部長の斉藤鉄夫議員、文部科学部長の浮島智子議員が６日に萩生田大臣と面談。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、本年度、受験・就職に臨む世代を応援するための支援策として、応援金の創設を提言した。

　会議では、支援金額、支援の枠組みや必要予算額を示し、協議。高校生は各学校で卒業見込み者の申請をまとめ、都道府県教委または民間委託業者に提出すること、浪人生は卒業校・都道府県教委・民間委託業者に申請するなどの案を示し、意見を交わした。

　高校卒業見込み者数を１１５万人、既卒者受験生数を１１万人とし、大学入学共通テストの３教科以上受験した場合の検定料が１万８０００円であることから、必要額として２８０億円を試算。財源として予備費の活用を見込んでいる。

　会議後の記者会見で萩生田大臣は、高校３年生などに何らかの支援を行うことに賛意を示しつつも、浪人生も対象にすると趣旨や目的が不明瞭になるなどの課題があるとし、具体的な検討に至っていないことを説明。今後の協議を踏まえ、あらためて方針を固めることを伝えた。

(解説 2020-10-15付)