【解説】幼児期の外遊びは重要(解説 2020-10-23付)
スポーツ庁は、令和元年度体力・運動能力調査結果をまとめた。青少年(6~19歳)の体力・運動能力は水準の高かった昭和60年ころと比べ、握力、50㍍走、立ち幅とび、ボール投げのいずれも低く、中学・高校男子の50㍍走は高い水準にある。小学校入学前に外遊びをしていた小学生ほど、新体力テストの合計点が高く、スポーツ庁は幼児期の外遊びの重要性を指摘している。
調査は、国民の体力・運動能力の現状を明らかにするために毎年実施しているもの。前回実施した東京オリンピック開催以降(昭和39~43年)の年度調査と、令和元年度の調査結果を比較した。
直近10年では、男女のボール投げ、中学生以上の男子の握力が低下傾向にある。一方、その他の項目では男女・年代でやや違いがあるものの、ほとんどの項目で横ばいまたは上昇傾向。
元年度の身長・体重は、昭和39年度と比べいずれの年齢も大きく向上。握力は14歳までほとんど差がみられない、または元年度がやや上回っているが、15歳以降は発達の程度が緩やかとなり、元年度の記録は昭和39年度を下回っている。運動・スポーツの実施率はいずれの年齢も大きく上昇。小・中学生の女子では「スポーツを実施していない(しない)」割合が大きく減少した。
スポーツ庁は、中学生、高校生のスポーツ実施率が向上していることから、競技性の高いスポーツだけではなく、誰もが気軽にスポーツを楽しめる環境が増えていると分析。
また、小学校入学前の外遊びの頻度と入学後の新体力テストの合計点を比較すると、外遊びが週6日以上の群と週1日以下の群の差は、男子が4・6点、女子は1・7点。小学校入学後の運動習慣の基礎を培い、体力向上の要因の一つになると分析している。
(解説 2020-10-23付)
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