海洋教育パイオニアスクールプログラム全道発表会 海外からの漂流物調査など 漁師との交流も
(道・道教委 2020-10-27付)

海洋教育全道成果発表会
3つのモデル地域から24人が参加した

 道海洋教育推進協議会は23日、サケのふるさと千歳水族館で2020年海洋教育パイオニアスクールプログラム全道成果発表会を開いた。日本海地域など3つのモデル地域の各小・中学校の児童生徒や引率教員など24人が参加し、地元の海を活用して取り組んできた研究内容や成果を発表。小樽水産高校は地元のごみ問題をテーマとして海外からの漂流物などを調査、浜中町立散布小学校は地元の漁師からアサリ漁について体験しながら学んだことを発表した。

 道教委は、令和元年度から3ヵ年、日本財団、東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター、笹川平和財団海洋政策研究所の3者が主催する海洋教育パイオニアスクールプログラムの地域展開部門として指定を受けている。古平町、厚岸町・浜中町、羅臼町の3地域をモデル地域として選定して、海洋教育カリキュラムの開発と海洋教育の担い手の育成に向けて事業を展開している。

 発表会は、海洋教育パイオニアスクールプログラムに取り組む実践校の児童生徒による成果発表等に関して意見交換などの交流を通して、海洋教育についての理解を一層深めるとともに、全道の学校に対して、事業成果の普及を図るもの。

 冒頭、協議会長を務める道教委の小松智子学校教育局長があいさつ。

 新型コロナウイルス感染症の影響で各実践校が実践研究を計画的に進めることが懸念されてきたが、制約ある中で工夫を図りながら取り組んできたことに敬意を表した。

 続いて、実践校の児童生徒が、3地域の海洋ごとに研究の成果を発表した。

 日本海地域の発表では、古平町立古平小学校、古平中学校、小樽水産高がそれぞれの取組を発表。中で、小樽水産高は、海のごみ問題をテーマに、海外からの漂流物などについて調査。ポスターなどを作成して、地元の海がきれいな状態を保てるよう、市民の意識の高揚を継続的に図る取組の大切さに気付いたことを報告した。

 太平洋地域では、散布小、厚岸翔洋高校が発表。動画による参加となった散布小は、地元の海を知るために、あさり島でアサリの生態や漁などについて地元漁師などと交流しながら学習していることを伝えた。

 オホーツク海地域では、羅臼町立羅臼小学校、春松小学校、知床未来中学校、羅臼高校が発表。羅臼高は、水産業のマーケティングに関する学習や、ダイビングの実習などと、海の魅力を存分に発揮した教育活動を展開して理解を深めていることを紹介した。

 意見交換では、運営員と児童生徒が交流。今後、海にごみを捨てないよう観光客や釣り人に注意を呼びかけることや、地元の海の特産物を生かして地元の海のよさを伝えることなどについて話し合った。

(道・道教委 2020-10-27付)

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