札幌市立高コンシェルジュの元校長ら 学校と社会つなぐ場に カフェ開き実践のヒント提供(札幌市 2020-11-02付)
理事長の岩本さん(右)と副理事長の富田さん
本年度から札幌市立高校コンシェルジュの嘱託を受けたNPO法人猫の手さっぽろ。札幌市立学校の退職校長がメンバーとして活動している。コンシェルジュとしての活動だけでなく、学校と社会をつなぐ場として、前年度は「猫の手カフェ」を開催。異校種の教職員、民間企業の社員と語り合う場を設け、参加した教職員は学校現場における実践に向けた様々なヒントを得た。
市立高校コンシェルジュは、平成29年度から10年間の教育改革の方向性を示した札幌市立高校教育改革方針に盛り込まれている。市立高校の特色を充実・発展させるに当たって、地域や企業等との相互連携を推進しており、新たな業務が生じてくることから、29年度から配置。教職員の負担軽減の一助としている。
本年度嘱託を受けた猫の手さっぽろは、30年9月に発足。学校を応援することを通して、札幌の子どもたちの人材育成に寄与することを目的に設立した。
コンシェルジュとしての活動は、札幌市立高校ポータルサイトの更新や、アニマドーレプロジェクトの時間講師、市立札幌開成中等教育学校「IBワークショップ」の支援などを実施。
団体の理事長は元札幌市立高校長の岩本隆さん、副理事長は同じく富田淳一さん。岩本さんは市立札幌開成中等教育学校の前身・札幌開成高校の校長、富田さんは市立札幌大通高校の校長を務めた。
自身の管理職経験から、多様化する学校現場には、教職員に広い視野や新しい気付きを身に付けさせる場の必要性を痛感。同団体において「校種を超えた交流の場や学校と社会がつながる場所を提供したい」との思いから、民間企業の社員など学校と外部の人材をつなぐことで、学校の取組を社会へ、社会の情勢を学校へ発信する場として、昨年7月、第1回猫の手カフェを開いた。
幼稚園、小・中学校、高校、特別支援学校の様々な教職員が校種を越えて集まり、語り合うことをねらいとし、教職員の幅広いコミュニティを構築。「学校では言えない困りごと、悩みをもっていませんか」などのキャッチコピーで参加者を募った。
ラウンドテーブル式で困りごとを語り合い、話題を深め、参加した教職員からは「校種間のコミュニケーションが取れてよかった」「考えるヒントがいろいろと得られた」などの感想が寄せられた。
11月に実施した第2回学社交流猫の手カフェでは、教職員だけでなく民間の人材を取り入れた交流の場とし、「つながり・連携について」「若手の育成について」などについて、グループで交流を深め、経験や発想をもとに話し合う場とした。
本年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から猫の手カフェは開催できていないことから、団体では参加意欲のある高校の教職員と、カフェが目指す方向について座談会を実施。
岩本さんと富田さんは、コロナ禍を踏まえたカフェの具体的な在り方については検討中とし、「学校現場へのヒントを得られる場として、地域や異校種で助け合いながら、子どもたちの教育に寄与していきたい」と話す。今後も、社会と学校をつなぐ役割の一翼を担っていく考えだ。
(札幌市 2020-11-02付)
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