札幌市宮の丘中　講演会　災害時の行動など学ぶ　自衛隊協力し止血処置等

（札幌市 2020-11-05付）

町内会員やＰＴＡなどを対象に開催

　札幌市立宮の丘中学校（長内康志校長）は１０月２９日、同校で青少年育成講演会を開いた。陸上自衛隊第１８普通科連隊の染谷直寛広報室長をはじめ９人の自衛官が災害時に身を守る行動として、けがをした際の応急処置の方法などを説明。生徒は「どのくらいの強さで止血すればよいか」などと積極的に質問するなど、防災意識を高めた。

　同校の校区内には、土砂災害警戒地域が多数設けられており、地域の町内会では防災への啓発などに取り組んでおり、近年多発する災害から防災対策への意識が高まっている。

　講演会は、大規模災害における人命救助や被災地支援などを行っている陸上自衛隊の協力で開催。当初は防災教育として生徒向けの講演会とする予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、地域の町内会員やＰＴＡなどに対象を変更。約２０人が参加した。

　はじめに、長内校長があいさつ。「本日の講演会で得た知識や知恵を日常生活で生かせるよう、皆さんと一緒に学びたい」と述べた。

　「大規模災害とその対策について学ぶ～自然災害からどのように命を守るか」と題して、染谷広報室長をはじめ９人の自衛官が止血処置や心肺蘇生法などを説明。

　止血処置では２人１組となり、自衛官が日ごろ使用している包帯や止血帯を活用し処置。「災害現場ではすぐに逃げなければいけない」と強調し、応急処置として６０秒以内に患部を止血することが必要と説明した。

　このほか、心肺蘇生法の指導、陸上自衛隊高等工科学校の紹介動画、家庭でできる防災などについて講演。参加者は災害からの身の守り方について知識を深めた。

　土屋裕志教頭は「生徒だけでなく、校区の町内会の皆さんの防災意識向上につながればうれしい」と話していた。

(札幌市 2020-11-05付)