札幌市教委　２年度教員育成指標　ＩＣＴ活用力の追加検討　ＧＩＧＡスクール等踏まえ

（札幌市 2020-11-06付）

　札幌市教委は、本年度の教員育成指標の中に教員のＩＣＴ活用指導力にかかわる指標の追加を検討する。書面開催の第１回市教員育成協議会において、方向性を示した。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、学校におけるＩＣＴ活用の必要性の高まりや、国のＧＩＧＡスクール構想による１人１台端末の整備状況などを踏まえて変更するもの。市教委は今後、協議で挙がった意見をもとに育成指標の変更素案を作成し、２月開催予定の第２回協議会で提示する。

　協議会は、教育公務員特例法の一部を改正する法律の施行に伴い、市の実態や地域的特性を踏まえた求める教員像に基づき、教員の職責、経験、適性に応じて向上を図るべき資質・能力に関する指標である教員育成指標等を策定するため、平成２９年度に設置。設置後、教員養成課程を有する大学、教職大学院、保護者、民間企業、園長会・各校種の校長会の園長・校長らが、市の特性を踏まえた教員育成指標および教員研修計画の策定に向けた協議を進めてきた。

　前年度、特別支援学校・特別支援学級・通級指導教室担当の育成指標を作成し、各校種・職種に対応した育成指標を策定し終えた。

　本年度の協議会では、①教員の養成・採用・育成の一体化にかかる取組について②令和２年度札幌市教員育成指標の一部変更について③札幌市教員育成指標の活用の質を高めること―の３点について協議することとした。

　本年度第１回協議会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から書面で開催。送付した動画によるあいさつで紺野宏子教職員担当部長は、近年、教員の大量退職、大量採用等の影響によって従来の学校組織において、自然に行われてきた経験豊富な教員から若手教員への知識・技術等の伝達が困難になるなど、教員を取り巻く環境の変化を指摘。「こうした問題の解決のためには、教職員が時代の背景や要請を踏まえつつ常に自身の資質・能力の向上を図り続けるとともに、年齢や経験に応じた目標や役割を認識してこれまで以上に意欲的に職務に取り組むことが必要」との認識を示した。

　動画ではほかにも、市川恵幸教職員育成担当課長が「教員の養成・採用・育成の一体化にかかる取組」、伊藤猛研修担当係長が「教員育成指標の活用の質を高める活用方法」についても説明した。

　今後、委員から意見を聴取。協議で挙がった意見などをもとに育成指標の変更素案を作成し、第２回協議会で提示する予定だ。

(札幌市 2020-11-06付)