札幌市小学校長会　６専門部共同研究計画　第１回　学校経営の在り方に焦点　「学ぶ力」育成部　

（札幌市 2020-11-06付）

　札幌市小学校長会（林貞年会長）の６専門部は、本年度から２ヵ年で開始する共同研究の計画内容を示した。共同研究主題は「ともに未来を創造するたくましくしなやかな“さっぽろっ子”を育む豊かで確かな小学校教育の実現」。新型コロナウイルス感染症の対応を踏まえた取組も盛り込んでいる。各専門部における研究の具体的な方向性を連載で紹介する。

「学ぶ力」を育む豊かで確かな学校経営の在り方

【研究内容】

▼研究副主題の解説

共同研究主題を受け、「学ぶ力」育成を切り込み口とした学校経営の在り方に焦点化し、課題とした。

①実効性の高い教育課程の創造と検証

地域性を生かすとともに、「学校として」「６年間で」子どもを育む教育課程の創造とその実効性を検証する。

②「学ぶ力」育成に向けた校長のかかわりと学校評価にかかわる教育の深化

　「学ぶ力」育成に向けた校長のかかわりについて、経営組織、教育課程、意識改革の視点から迫り、各学校の実態を踏まえた経営ビジョンの具現化の方策を探る。

③校長の高い識見と指導性の発揮

　社会に開かれた教育課程、課題に応じた柔軟な組織改革、同僚性の高い教職員の育成等について見識を高め、先見性のある学校創造の実現を目指す。

▼研究の視点

▽視点１　教職員が一体となって取り組む経営組織の構築

・「学ぶ力」を育み、教師力・学校力を高める校長のリーダーシップ

・「学ぶ力」育成プログラムの実行性を高める経営組織と校長のかかわり

・教職員が協働で取り組むことで教育効果を高める経営組織

▽視点２　たくましくしなやかで創造性あふれる子どもを育む教育課程の創造

・「学ぶ力」の育成を具現化する教育課程の構築

・「学ぶ力」育成プログラムの実行性を高めるカリキュラム・マネジメント

・社会に開かれた教育課程の実現と校長のかかわり

▽視点３　充実した教育活動の構築に向けた教職員の意識改革

・「学ぶ力」育成にかかわる授業観・評価観を共有するための校長のかかわり

・前例踏襲の体質を改善し、学校評価を軸にＰＤＣＡを機能させる校長のかかわり

・同僚性や教師力の高い教職員集団を構築するための校長のかかわり

【取組の具体】

▼研究体制

　３つの視点に沿い、経営組織グループ・教育課程グループ・意識改革グループを設定し、「学ぶ力」育成に向けた校長のかかわりの提言をもとに研究協議する。

▼研究の実際

▽研究テーマ

　コロナ禍において自ら学びに向かう子どもを育むために、「学ぶ力」を育成する授業の実現に向かう校長のかかわりを追究する。

▽研究仮説

　校長が先見性のある教育推進のビジョンと評価をもち、コロナ禍という状況を「授業力の向上」と効果的につなげる仕組みをつくることによって、子どもの「学ぶ力」を育むことができる。

▼校長のかかわり

▽「学ぶ力」を育む授業の共有

・校長は課題を見抜いているか

　コロナ禍で顕在化した子どもの課題＝教師の課題

・校長は動いているか

　ウィズコロナの先を見据え子どもに育む力を意識させる。授業を変えるチャンスを見逃さない。

・校長は教師に実感させているか

　授業改善の成果を教師に効果的にフィードバックする。

▽校長の自己評価と授業改善　「コロナ禍における教育課程編成（再編成）」

・校長の意志に基づいた編成

　誰のために、何のために、優先順位は。

　削減ありきではない「厳選と集中」→子どもの育ちに結び付く教育課程編成

・校長のかかわりへの自己評価（自問自答する校長）

　校長は教職員へ意志を伝えているか。

　校長は、意志を教職員の動きへと変えているか。

　校長は、意志が教職員の動きとなっているかを評価しているか→成果がみえてこない＝校長のかかわりの見直し

▽「学ぶ力」を育む仕組みづくり　「校長のビジョンを具現化するために、“学ぶ力”の育成を推進する仕組みを構築」

・学級・学年の枠を取っ払ったユニット単位の研究

・学年主任による研究推進組織の構築など→コロナ禍の先を見据えて、柔軟かつ大胆な組織体制をつくる校長のかかわり

【今後に向けて】

　コロナ禍において子どもの学びを止めないための校長のビジョンや評価、仕組みづくりの研究を深める。令和３年２月全市研修会での提言等を通して成果を広め、教師の授業力を高める校長の指導性向上を目指す。

(札幌市 2020-11-06付)