札幌市小学校長会 6専門部 共同研究計画 第4回 コーディネーター育成が大切 学びの支援部(札幌市 2020-11-11付)
一人一人の教育的ニーズに応える学校経営の在り方
【研究内容】
▼研究副主題の解説
本年度から、新たな専門部として学びの支援部がスタートした。前年度まで、特別支援教育部では主として「インクルーシブ教育システムの構築」「新学習指導要領の動向を見据えた校内特別支援教育の推進体制の在り方」「特別支援学級・通級指導教室の充実」「学校全体としての特別支援教育の推進等の研究」などに取り組んできた。
また、生徒指導部では、「危機管理と問題の未然防止に向けた取組」「問題に関する対応の実際」「関係機関との連携」などについて研究し、成果を上げてきた。
本年度は、これらの研究成果も踏まえつつ、新たな研究体制となったことによって、より幅広く子ども一人ひとりのニーズについて考察し、それらに合わせた適切な指導・支援の体制づくりや関係機関の連携の在り方について深めていく。
さらに、学びの支援に関する学校課題を校長がリーダーシップを発揮し解決に向かえるような研究活動を進めていくこととした。
以上のことから、研究副主題を「一人一人の教育的ニーズに応える学校経営の在り方」とした。校長の役割と指導性を究明する中で、具体的方策を明らかにし、より実践的で汎用的な研究を行っていこうと考えている。
▼研究の視点
▽視点1 通常の学級の中での、支援を要する児童への指導の充実について
▽視点2 特別支援学級・通級指導教室での指導の充実について
▽視点3 不登校児童への対応について
【取組の具体】
▼研究体制
▽視点をもとに3つの部門別グループを構成する。部門別グループ内でさらにA、B2つの研究グループを編成し、グループごとに視点に沿った具体的課題を設定し、調査活動や事例交流等課題解決に向けた研究を進める
▽各校の具体や課題の実践交流のほか、その解決に向けての方法や、校長が果たすべき役割やリーダーシップについて考察を深める
▽グループ研究の成果について、定期的に全体交流を行うほか、講師の招へいや施設訪問等研修なども必要に応じて行う
▼研究の実際
これまで部門別グループを中心に、視点に沿った交流・協議を行ってきた。各部門の研究内容を全体交流や『学びの支援部だより』を通し、共有してきた。
▽部門Ⅰ~視点1にかかわって
〈連携〉〈インクルーシブ教育〉
・連携~学校内外の連携を深めることによって、子どもの的確な実態把握やより良い支援につながる。連携し合う双方にメリットがあると、さらに深い連携へと発展させることができる
・インクルーシブ教育を窓口に~特別支援教育が目指す未来像・合理的配慮の在り方、基礎的環境整備について研究を進める。それを基盤としながら、教師の“児童観・指導観・教育観”を磨いていく学校経営の在り方についても協議していく
▽部門Ⅱ~視点2にかかわって
〈特別支援学級のカリキュラム・マネジメント〉〈交流および共同学習の推進〉
・個別の指導計画と評価~特別支援学級の教育課程および指導の在り方の理解をより深めるため、通知表の表記や枠組みを切り口として、個別の指導計画と評価(通知表を含む)を連動させ、計画―授業―評価がつながる特別支援学級の教育課程の実施に向け、具体事例を通して検討していく
・交流および共同学習の推進~特別支援学級児童については自立と自律、通常の学級の児童にとっては理解と優しさを育む大切な場が交流および共同学習である。双方の子どもが学び育つためのねらいや内容、準備、環境など、校長としてどうかかわるか、具体的事例を通して今後も検討する
▽部門Ⅲ~視点3にかかわって
〈校長の果たす役割と指導性〉〈共有と連携〉
・役割と指導性~「情報の共有」「つなげる」「育てる」というキーワードがみえてきた。体制づくりや関係機関との連携に加え、コーディネーターとなる人材を育てることも大切である
・共有と連携~資料化や記録化も大切である。記録の項目や内容、表記方法など効果的なシートの形式など、今後も考察していく
【今後に向けて】
部門別グループによる研究協議を今後も継続していく。さらに本年度は、コロナ禍における課題や取組も柱の一つとして設定してきた。視点とからめながら継続して話題にしていきたい。また、12月には外部講師による講演会も予定している。
グループ協議を中心に、より具体的な方策を明らかにしながら成果をまとめ、次年度の研究内容や研究発表の場につなげていく。
(札幌市 2020-11-11付)
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