道教委初調査　障がい者の生涯学習　９市町村教委で事業実施　ニーズ把握や体制整備が課題

（道・道教委 2020-11-11付）

　道教委は、道内市町村における障がい者の生涯学習にかかわる初の実態調査（速報値）の結果をまとめた。教育委員会主催で障がい者を対象とした生涯学習活動に関する事業を実施しているのは９市町村、障がいの有無にかかわらず参加できる事業を実施しているのは６３市町村だった。生涯学習推進上の課題として、回答市町村の６７％が「ニーズの把握」「体制の整備」を挙げた。

　文部科学省の委託を受けて３ヵ年計画で取組を進める障がい者の生涯学習推進コンソーシアム形成事業の一環。障がい者が行う学習活動への市町村教委の支援、学習者が求める支援などを調べることで、障がい者の学習支援を含むモデルプログラムの開発や、効果的に学習を支援する具体的な体制の構築に資することがねらい。

　札幌市を除く１７８市町村教委のうち、１７６市町村教委から回答を得た。調査期間は１０月２～１６日。

　調査結果をみると、教育委員会が主催して「主に障がい者を対象とした生涯学習活動」に関する事業を実施している市町村は９市町村。「障がいの有無にかかわらず参加可能な生涯学習活動」事業を実施している市町村は６３市町村だった。教育委員会以外の部局で両事業を主催しているのは保健福祉部局が５８市町村と多い。

　教育委員会以外の活動の主体者は「社会福祉協議会」「障がい当事者の団体」「社会福祉法人」の順に多い。事業主体に対する市町村の協力内容は「会場提供」「事業運営支援」「広報」の順となっている。

　市町村が策定する教育計画に障がい者の生涯学習支援に関する施策や事業を記載している市町村は２２市町村。関連する研修を実施している市町村は２市町村にとどまった。

　障がい者の生涯学習推進上の課題（複数回答）では、１１８市町村が「ニーズの把握」「体制の整備」と回答。このほか、「施設・設備等の整備」「講師および指導者の確保・養成」「ボランティアの確保・養成」が多く挙がっている。

(道・道教委 2020-11-11付)