【解説】新時代の高校教育　文科省

（解説 2020-11-18付）

　文部科学省は、新しい時代の高校教育の在り方ワーキンググループ（審議まとめ）「多様な生徒が社会とつながり、学ぶ意欲が育まれる魅力ある高校教育の実現に向けて」を公表した。スクール・ポリシーの策定や公表のほか、学科の特質に応じた教育活動の充実などについて論点を整理し、今後の特色化・魅力化に向けた方向性を示した。

　ワーキンググループは、平成３１年４月に文部科学大臣から新しい時代の初等中等教育の在り方について諮問を受け、新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会に設置。

　同年７月に第１回会議を開催して以降、１３回にわたって審議を重ねてきた。

　まとめでは、スクール・ポリシーの策定や運用の在り方のほか、普通教育を主とする学科の在り方などについて議論し、方向性を示している。

　内容をみると、各高校の特色化・魅力化に向けた方策の一つとして、仮称・育成を目指す資質・能力に関する方針、仮称・教育課程の編成および実施に関する方針、仮称・入学者の受け入れに関する方針を総称したスクール・ポリシーを策定し公表することを要請。設定の際、学校生活や将来に対する展望をもちやすいものとするのが効果的と論じている。

　また、学科の特質に応じた教育活動の充実や強化について、普通科改革では「普通教育を主とする学科」と説明。すべての高校生が共通して身に付けるべき資質・能力を土台とした上で、文系・理系の類型に取らわれず、学際的な学びや地域社会の学びに重点的に取り組む機会を提供するなど、特色ある例を紹介している。

　ほかにも、定時制・通信制課程等における多様な学習ニーズへの対応や、高校通信教育の質の保証について方策を記している。

(解説 2020-11-18付)