【解説】新しい時代の特別支援教育

（解説 2020-12-01付）

　文部科学省は、「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」報告素案のパブリックコメントを１４日まで募集している。新しい時代の特別支援教育の実現に向け、教員の専門性向上、１人１台端末等の最新のＩＣＴ技術の活用、関係機関の連携強化による切れ目ない支援体制の整備の推進に関する具体的方策を挙げている。

　文科省は昨年９月に同会議を設置。１１月１６日にウェブ開催した第１２回会議で、過去の議論の整理と報告の素案をまとめた。

　報告素案は「特別支援教育をめぐる状況と基本的な考え方」「障がいのある子どもの学びの場の整備・連携強化」「特別支援教育を担う教師の専門性の向上」「ＩＣＴ利活用等による特別支援教育の質の向上」「関係機関の連携強化による切れ目ない支援の充実」で構成。

　中では、インクルーシブ教育システムの理念の構築と特別支援教育の進展のため、障がいのある子どもとない子どもが可能な限り共に教育を受けられる条件整備、連続性のある多様な学びの場の一層の充実・整備の着実な推進を掲げた。　デジタル教科書の文字拡大、音声読み上げ・文字化機能などのＩＣＴの機能が多くの障がい種における指導の充実に寄与していると指摘。一人ひとりの障がいの状態に応じた効果的な活用のため、支援機器を整備する必要性を挙げている。また、教員のＩＣＴ活用スキルがこれまで以上に重要になるとし、ＩＣＴ支援員の確保、外部人材によるＯＪＴ研修が必要とした。

　このほか、小学校の通級指導では巡回指導やＩＣＴ・遠隔技術の活用による指導の推進、特別支援学校の教室不足解消では令和２～６年度までの集中取組期間において、施設整備の取組を集中的に進めるべきとしている。

(解説 2020-12-01付)