【解説】ＳＳＨ　評価ガイドラインを

（解説 2020-12-08付）

　文部科学省が設置するスーパーサイエンスハイスクール支援事業（ＳＳＨ）の今後の方向性等に関する有識者会議は、第２次報告書に向けた論点を整理した。有効なＰＤＣＡサイクル構築のため、新たに仮称・評価ガイドラインの策定を提言。新型コロナウイルス感染症の影響で広がっているオンラインによる活動については、一過性のものとせずに国が積極的に支援する必要性を挙げている。

　ＳＳＨは、国際的に活躍できる科学技術人材を育成するため平成１４年から開始。先進的な理数系教育を実施している高校を指定・支援し、生徒の科学的能力を培い、将来のイノベーションの創出を担う科学技術人材の育成を図ることを目的としている。来年度から、予算支援のある従来の「事業枠」のほか、予算支援を受けない「認定枠」を設置する予定となっている。

　１２月上旬に開かれたＳＳＨ支援事業の今後の方向性等に関する有識者会議では、第２次報告書に向けた論点整理を報告。目指すべき方向性や今後の国による支援の在り方を示した。

　感染症の影響で指定校では小・中学生向けの実験教室や国内外の大学・研究施設の訪問など多くの活動が中止・延期となった一方、オンラインによる学習機会を確保する動きがあると報告。「これまで以上に多くの機会を幅広い生徒に提供し、地理的要因による取組の格差解消が期待できる」とし、国において定常的な連携として積極的に支援する必要性を挙げている。

　効果的な評価の取組を行う事例の普及のほか、有効なＰＤＣＡサイクル構築のための情報提供として、評価ガイドライン策定を提言。指定校において生徒の成長のための体制、特にカリキュラム・マネジメントの構築を中心に据えて検討する必要性を指摘している。

(解説 2020-12-08付)