【解説】要保護児童の社会的養護
(解説 2020-12-17付)

 総務省は15日、要保護児童の社会的養護に関する実態調査に基づく勧告を厚生労働省に提出した。親権者等との同意をめぐる各地の現場実例を踏まえた支援方策の提示、施設内虐待の運用実態の点検、施設外居住者への支援の継続の3点への対応を求めた。

 児童虐待の増加を背景として、平成30年度における児童相談所による児童の一時保護は4万7453人と10年間で1・8倍に増加。一時保護された児童の5人に1人は、家庭での養育が困難・不適当なため児童養護施設や里親等のもとで養育されている実態がある。

 総務省は、虐待など様々な理由で児童養護施設や里親等のもとで暮らす児童への適切な養育の実施、自立に向けた支援のための調査を実施。対象は23都道府県11市町村の34児童相談所および97児童養護施設。

 結果、児童養護施設では様々な場面(手術、進学、携帯電話契約など)で親権者等の同意取得に相当の労力を費やしている実態があることが判明。

 施設内虐待が疑われる事案の処理が適切に行われていない例、虐待認定の際に児童福祉審議会の意見を聞いていない都道府県等の例、進学や就職に伴い児童養護施設等から離れ、現場の判断が分かれて支援が途切れる例などがあることを報告。

 調査結果に基づき、厚労省に改善を勧告。親権者等との同意をめぐる各地の現場実例を踏まえた支援方策を検討して必要な措置を講ずることを求めた。

 また、施設内虐待の通告・届出制度の運用実態を点検し、通告・届出が確実に都道府県知事に届く措置を講ずるよう要請。進学や就職に伴い、施設などから離れて暮らす児童への措置の継続・延長に関する考え方を指針や事業要綱などに明記し、都道府県などに示すよう求めている。

(解説 2020-12-17付)

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