【解説】授業目的公衆送信の補償額
(解説 2020-12-23付)

 令和3年度から本格運用となる授業目的公衆送信補償金制度の補償金額が18日、文化庁長官によって認可された。料金体系は1人当たり年間で、幼稚園が60円、小学校が120円、中学校が180円、高校が420円、大学が720円となっている。補償金額は3年経過ごとに検討を加え、必要な措置を講じることとしている。

 授業目的公衆送信補償金制度は、授業の過程で学習資料をインターネットで送信する際、個別に権利者の許諾を要することのないよう、学校設置者が各分野の権利者団体で構成する指定管理団体(SARTRAS)に一括して補償金を支払う制度。

 ICTを活用した教育を推進するため、著作物の利用の円滑化と著作権者の利益保護のバランスをとる。新型コロナウイルス感染症の影響に伴う遠隔授業の需要に対応するため、令和2年度に限り補償金額を無償としていたが、来年度以降、有償による制度が開始となる。

 8~9月に教育機関の設置者の代表から意見を聴取し、今月18日に文化庁長官が補償金額を認可。意見聴取時から60~80円引き下げた額となった。

 1回当たりで払う場合の補償額は1人当たり10円。社会教育施設や公開講座に関しては、30人を定員とする1講座・講習を1回の授業として、授業ごとに300円を支払う。

 指定管理団体から業務受託団体を通じて個々の権利者に補償金を分配。連絡先不明な場合は留保し、指定管理団体のホームページで公表・周知して判明後に分配する。

 補償金の一定割合を著作物の保護や創作の振興・普及に資する事業のほか、教育機関設置者や教員への著作物に関するオンライン研修会の実施などに充てる予定。

(解説 2020-12-23付)

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