【解説】公立夜間中学設置の動向
(解説 2021-01-05付)

 平成28年の教育機会確保法成立に伴い、すべての地方自治体で公立夜間中学等の設置を含む修学機会の提供などに関する措置が講じられることとなった。全国では昨年4月1日時点で10都府県28市区に34校設置されている。

 ボランティアなどによって運営される自主夜間中学は道内では4校あり、中学校の卒業資格を得ることはできないものの、中学校卒業者で学び直しを求める人、日本語を学びたい外国人など、多くの人が学習する場となっている。

 公立夜間中学設置に向けた道内の状況をみると、平成27年度に道教委と札幌市教委は公立夜間中学の設置に関する課題と対応を協議。28年度に道教委は自主夜間中学生徒・形式卒業者等を対象とした調査を実施した。

 29年度に道教委は道、札幌市の職員、自主夜間中学の関係者、学識経験者などで構成する「夜間中学等に関する協議会」を設置。本道における公立夜間中学設置の在り方の協議を開始した。令和元年9月、札幌市が公立夜間中学の設置を表明し、具体の準備を進めている。

 道教委の調査によると、札幌市以外の地域で教育機会確保法や基本指針の趣旨に沿った教育機会の提供、実態の把握などが行われている自治体は1市のみ。協議会では、夜間中学に関する自治体や住民の理解を一層深める必要性を指摘している。

 このため道教委は、昨年11月に市町村への情報提供資料『公立夜間中学設置等による教育機会の確保に向けて』を作成。教育機会確保法等の趣旨や道内外の実践事例、入学までの手続きの例などを示しており、各市町村における公立夜間中学への潜在的ニーズの把握、地域の実情に応じた教育機会の確保に向けた取組を進めるよう求めている。

(解説 2021-01-05付)

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