網走小 授業づくり研修で全学級公開 1年国語 9つの視点で学び支援 登場人物の気持ち想像(学校 2020-12-10付)
叙述やさし絵から想像できるよう発問を工夫した
【網走発】道教委が進める学校力向上に関する総合実践事業の中核校・網走市立網走小学校(吉田昌広校長)は4日、同校で授業づくり研修会を開いた。研修テーマ「自ら学び考える力の育成~ねらいを実現させる授業を通して」のもと、全学級の授業を公開。1年2組の国語では、『たぬきの糸車』の叙述や挿絵をもとに、登場人物の行動の理由や気持ちを想像させる授業を展開した。
同校は「年間1000時間の授業で子どもを育てる」をモットーに、日常授業の改善を推進。
研修内容については、授業準備を効率的かつ的確に行うための視点として、授業づくりのための9つのフレームを設定。各教員は、本時のねらいに合わせて最適なフレームを選択し、授業づくりを進めている。
出会う(導入)では、「問題意識をもたせる工夫」「見通しをもたせる工夫」「ねらいに合わせて課題の言葉を精選」の3つ。
かかわる(展開)では、「目的を明らかにした交流」「思考を生む中心発問と問い返し」「子どもの思考に寄り添った構造的な板書」「子どもの実態に合わせた手立ての工夫」の4つ。
見つめる(終末)では、「ねらいに合わせた振り返り」「変容を感じられる振り返り」の2つとなっている。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、本年度は参加者を助言者に限定。公開する授業数を当初の予定より減らし、日程も短縮した。授業を公開しなかった教諭は、後日、校内研修で授業を行う。
公開した授業のうち、1年2組国語「すきなところを見つけよう“たぬきの糸車”」(内田梓教諭、児童数21人)は、8時間扱いの6時間目。
本時の目標は、「叙述や挿絵をもとに、おかみさんの驚きや、たぬきの冬の間の行動を具体的に想像し、その理由を考えている」「語のまとまりや言葉の響きに気を付けながら、第4、5場面を音読している」。個人設定課題は「多様な考えを引き出し、交流につなげる発問の工夫」とした。
内田教諭は、『たぬきの糸車』の第4、5場面を音読させ、おかみさんが驚いた理由を確認した。
「白い糸の束が山のように積んであった」「ほこりまみれのはずの糸車に巻きかけた糸がかかっていた」などの児童の発言を踏まえ、「白い糸の束が山のように積んであったのはどうしてだろう」と課題を提示。問題意識をもたせ、主体的に教材を読み取れるよう発問した。
交流では、「教科書のどの部分から考えたのかな」「同じような経験をしたことはないかな」など、叙述や挿絵をもとに想像したり、自分の経験と結び付けて考えられるよう声をかけ、具体的で多様な意見を引き出した。
児童の意見に対する問い直しなどを行い、糸を紡いだたぬきの行動が、助けてくれたおかみさんへの感謝による行動なのか、いたずらなのかを考えさせた。その際、白い糸の束の量について、「山のように」と表現していたことに着目し、感謝の気持ちが強く表れていることを読み取らせた。
振り返りでは、教材にある最後の挿絵を使っておかみさんとたぬきのせりふを想像させる活動を展開。叙述や挿絵の表情から登場人物の気持ちを表現させた。
(学校 2020-12-10付)
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