道教委 高校魅力化の手引 多様な選択科目開設など HPで公開 具体的な取組例示
(道・道教委 2021-01-14付)

 道教委は、『地域創生に向けた高校魅力化の手引~高校と地域の連携・協働を進めるために』(A4判、96ページ)をまとめた。生徒や保護者、地域にとっての高校の魅力化を実現するため、多様な選択科目を開設するなど生徒の学習ニーズに対応した教育課程の編成、小中高生が12年間で身に付けるべき資質・能力を示した地域における学びのスタンダードの作成などの具体的な取組を例示した。8日付で道立高校や道立中等教育学校などに通知し、「地域創生等を進める際の参考資料として活用を」と呼びかけた。

 手引は、国における地方創生の施策の方向性や、道総合教育大綱、道教育推進計画、第2期道創生総合戦略などを踏まえ、地域創生に向けて高校の果たす役割や、本道における高校の魅力化の具現化を図る具体的な取組例を示すものとして作成。第1部、第2部、参考資料の3部構成となっている。

 第1部「解説編」では、高校の魅力化を「生徒や学校、地域の実態を踏まえ、地域と連携・協働して、社会の変化や生徒の多様な学習ニーズに対応した教育活動を展開することによって、生徒の自己実現に寄与することができる高校づくりを推進し、生徒から選ばれる学校になること」と定義。

 生徒や保護者にとっての高校の魅力化のため、生徒の興味・関心や多様な進路希望に応じた教育課程の編成、望ましい勤労観や職業観を育むためのキャリア教育の充実など、また、地域にとっての高校の魅力化のためには、地域を理解し、地域の将来を担う人材の育成、生徒が地域社会の一員として地域課題を主体的に探究する資質・能力の育成など、具体的な取組を検討する必要があるとした。

 第2部「実践編」では、第1部で示した考え方をもとに、具体的な取組を例示。

 生徒にとって魅力のある高校とは、将来の夢や希望を実現させてくれる学校との考えから、多様な進路希望に対応できるような多様な選択科目の開設、数学や外国語等における習熟度別授業・少人数授業等のきめ細かな指導の充実、地域の人材を活用した専門性の高い特色ある教科・科目等の開設、小中高生が12年間で身に付けるべき資質・能力を示した地域における学びのスタンダードの作成、小・中・高校の教員が連携した学力定着に向けた取組の実施などを挙げている。

 また、地域創生やSDGs(持続可能な開発目標)の観点からの探究活動といった地域課題探究型の学習活動の推進、地域の企業等と連携したキャリア教育の充実、地域の専門家を「ふるさと先生」として活用する教育活動など、地域を学びの場とした教育活動の推進を掲げた。

 さらに、情報化やグローバル化に対応するため、学校におけるICT環境等の整備、小規模校の教育課程の充実を図る遠隔システムの導入が必要とした。

 併せて、高校の魅力化に関する取組をさらに充実させるため、地域住民等に取組の情報を発信するほか、検証・改善を行う必要性を示した。

 作成した手引をもとに各学校が取組を行う期間は、本年度から3年間。本年度は手引の周知期間とし、取組が可能なものから実施。3年度は魅力化のさらなる推進に向けて実践事例を集約した資料を作成し配布する。4年度は前年度までの取組を検証して改善に向けた指導助言、支援などを行っていく。

 手引と概要版は、道立高校、道立中等教育学校等に配布したほか、道教委ホームページに掲載。

 道教委は「手引を活用するなどして高校の魅力化を推進するとともに、地域創生等を進める際の参考資料として活用を」と呼びかけている。

(道・道教委 2021-01-14付)

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