道教委 全国学力調査質問紙調査 話し合い活動で考え深化 継続的検証サイクル確立へ
(道・道教委 2021-01-15付)

 道教委は13日、令和2年度全国学力・学習状況調査児童生徒質問紙調査の集計結果(参考値)を公表した。「話し合う活動を通じて考えを深めたり、広げたりできた」児童生徒が小中学生ともに3割を超え、前年度との比較でも4~10ポイント高かった。また、1日当たり1時間以上勉強する中学生の割合が9ポイント高くなった。道教委は、継続的な検証改善サイクルの確立に向け、調査結果を活用していく考え。

 文部科学省は、新型コロナウイルス感染症にかかるその後の状況および学校教育への影響等を考慮し、本年度の全国学力・学習状況調査を中止した。

 道教委は、本道の継続的な課題である児童生徒の生活習慣・学習習慣の状況等について、新型コロナウイルス感染症による臨時休業の影響も含め把握するため、市町村教委に児童生徒質問用紙調査結果の任意の提供を依頼し、まとめた。

 調査期間は、昨年8月20日から11月13日。札幌市を除く小・中学校および義務教育学校からの提出は99・6%。調査時期が異なるため、参考値とした。

 児童生徒質問調査の設問数71問から、これまで道教委が作成している全国学力・学習状況調査の調査結果のポイントや北海道版結果報告書で継続的に取り上げてきた質問等を選択。

 ①授業改善・学習に取り組む態度等に関する質問項目から2問②学習習慣・生活習慣等に関する質問項目から4問③自己有用感・粘り強さ、挑戦心・将来の夢や目標、規範意識等に関連する質問項目から6問―の計12問について公表。平成25年度から令和2年度までの経年変化も示した。

 ①のうち、「授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいた」と思う児童生徒の割合は、小学校27・1%、中学校26・6%で、前年度と比べて小学校で3・8ポイント、中学校で0・2ポイント低かった。

 また、「学校の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりすることができている」と思う児童生徒は、小学校32・7%、中学校37・6%で、小学校で4・1ポイント、中学校で10・6ポイント高かった。

 ②のうち、「普段、1日当たり1時間以上勉強する」児童生徒の割合は、小学校57・6%、中学校72・4%で、小学校が前年度と同様、中学校が9・2ポイント高かった。

 ③のうち、「将来の夢や目標をもっている」児童生徒の割合は、小学校56%、中学校43・6%で、小学校が8・2ポイント、中学校が2・1ポイント低い結果となった。

 13日の道議会文教委員会で小松学校教育局長は、今回の結果をもとに「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた学習に取り組んでいる」「各学校は臨時休業中、児童生徒が自主的に取り組める学習課題を示すなど、きめ細かな対応を行った」などと学校の取組について分析。

 その上で、「道教委は、本道の子ども一人ひとりが健やかに成長できるよう地域や学校の実情に応じたきめ細かな支援に努めていく」とし、今後、各市町村教委を通じて学校に送付し、継続的な検証改善サイクルの確立に向けて活用を図っていく考えを示した。

(道・道教委 2021-01-15付)

その他の記事( 道・道教委)

檜山局 特別支援オンラインセミナー 学校組織で情報共有を 初開催 特セン・宮岸課長講話

特別支援教育オンラインセミナー  【函館発】檜山教育局は昨年12月上旬、檜山合同庁舎で管内特別支援教育オンラインセミナーを開いた。檜山局独自に初めて開催。ウェブ会議システムを使用し、小・中・高校の校長など35人が参加。道立...

(2021-01-18)  全て読む

道教委 障がい者の生涯学習推進会議 3年度 新規に連携事業 2月 コンファレンス開催へ

コンソーシアム形成事業会議  道教委は14日、令和2年度障がい者の生涯学習推進コンソーシアム形成事業第3回地域連携コンソーシアム会議を開いた。構成員13人が出席。担当者が2月16日にオンラインで実施するコンファレンスの...

(2021-01-18)  全て読む

道教委・札幌市教委 220校実施 19日から受付 3年度公立高入選概要

 道教委と札幌市教委は15日、令和3年度公立高校入学者選抜実施概要を発表した。入選の実施学校数は、前年度比3校減の220校。課程別内訳は、全日制単置が180校、全定併置が31校、定時制単置が...

(2021-01-18)  全て読む

道社教委員・生涯学習審開く 家庭教育支援事例発表等

社会教育委員の会兼生涯学習審議会  道社会教育委員の会議兼第15期道生涯学習審議会第2回会議が13日、札幌市内かでる2・7でオンライン開催された。委員13人が出席。文部科学省職員による行政説明や委員による家庭教育支援事例等の...

(2021-01-15)  全て読む

道教委 遠隔で探究活動キャンプ 潜在能力を探り生かす 地域創生へ高校生が提案

探究活動キャンプ  道教委は8日から2日間、道庁別館をメーン会場にオンラインで全道をつなぎ探究活動キャンプを開いた。全道から高校1・2年生54人が参加。講演や説明などを通して地域創生について理解を深め、全16...

(2021-01-15)  全て読む

道特長等3年度文教要望に対する道教委回答 学校教育の情報化推進 修学旅行引率旅費 予算確保努め

 道教委は、道特別支援学校長会(木村浩紀会長)、道特別支援学校副校長・教頭会(星野健史会長)、道公立学校事務長会(坂井秀昭会長)の令和3年度北海道文教施策に関する要望書に対する回答を示した。...

(2021-01-14)  全て読む

道教委 高校魅力化の手引 多様な選択科目開設など HPで公開 具体的な取組例示

 道教委は、『地域創生に向けた高校魅力化の手引~高校と地域の連携・協働を進めるために』(A4判、96ページ)をまとめた。生徒や保護者、地域にとっての高校の魅力化を実現するため、多様な選択科目...

(2021-01-14)  全て読む

道教委 医療的ケア看護師等研修会 “安全”を学びの対象に 教員との協働考える

 道教委は7日、学校における医療的ケアに関する看護師等研修会をオンライン開催した。医療法人稲生会の土畠智幸理事長が「医療安全と学びのジレンマから看護師と教員の協働を考える」と題して講義。アン...

(2021-01-13)  全て読む

道教委 道立美術館HPを一新 ポータルサイト開設へ 6月以降 多言語化等に対応

 道教委はことし6月以降、インターネット上に道立美術館5館の総合入り口「道立美術館ポータルサイト」の開設を計画している。本年度から取り組んでいるデジタル・北海道アートミュージアム事業の一環。...

(2021-01-12)  全て読む

道教委 アドバンスト学習キャンプ 進路実現目指し研鑚 感染対策万全に講演や講義

道教委アドバンスト学習キャンプ  道教委は6日から2日間、令和2年度アドバンスト学習キャンプを行った。道内4会場をウェブ会議システムZoomでつなぎ約70人が参加。新型コロナウイルス感染症対策に努めた上で、外部講師による講...

(2021-01-12)  全て読む