道特長等3年度文教要望に対する道教委回答 学校教育の情報化推進 修学旅行引率旅費 予算確保努め(道・道教委 2021-01-14付)
道教委は、道特別支援学校長会(木村浩紀会長)、道特別支援学校副校長・教頭会(星野健史会長)、道公立学校事務長会(坂井秀昭会長)の令和3年度北海道文教施策に関する要望書に対する回答を示した。「ネットワーク保守の外部委託やGIGAスクールサポーター、ICT支援員の配置など、学校教育の情報化の推進に向けた各種施策の充実に努めていく」などと回答した。道教委の回答概要はつぎのとおり。
1 特別支援教育の充実
(1)各地域におけるインクルーシブ教育の進展
特別支援教育に関する基本方針が示され2年が経過した。基本方針で示した各施策や事業について、今後の方向性を見いだせるよう、本会と道教委および道立特別支援教育センターと中間評価する機会を設けていただくよう要望する。
【回答】
現行基本方針の検証および次期基本方針の策定に当たっては、校長会をはじめとした関係機関の意見を伺いながら、検討していきたい。
2 各学校種における方策
(1)高校における特別支援教育の推進
特別支援学校から高校へ進学をする生徒の受検に際して、高校が特別支援学校から進学する生徒等の配慮事項などの理解および入学後の合理的配慮について協議できるような体制を整えていただくよう要望する。
【回答】
入学者選抜における学力検査や入学後の学校生活等について、生徒や保護者が特別な配慮を希望する場合、これまでも、出願前、出願後にかかわらず、在籍している中学校や特別支援学校から、出願を希望している高校に相談することとしている。これまで同様、在籍する特別支援学校から出願先の高校に相談していただくようお願いする。
(2)特別支援学校に在籍する幼児児童生徒への指導や支援
ア 食べる機能に障がいのある児童生徒の摂食指導(給食指導)の充実
道立特別支援学校における給食の食形態のガイドラインを作成するとともに、ガイドラインに基づいた調理体制の充実を図るよう要望する。
【回答】
道教委では、平成21年4月に、教職員が児童生徒等の食べる機能の実態を把握し、個々の食形態に応じた学校給食を再調理するためのポイントや留意点、衛生管理の方法などを解説した『特別支援学校における再調理のガイドライン』を作成・配布している。
各特別支援学校において、ガイドラインに基づいた適切な取組が実施されるよう指導助言していく。
ガイドラインに基づいた調理体制については、現在の厳しい財政状況の中で可能な限り配慮しているが、状況に応じた対応を引き続き検討していく。
イ 修学旅行にかかる指導・支援―重点
貸切バス料金の大幅な値上がりや消費税率の改定などに見合った修学旅行引率旅費配分基準の見直しを要望する。
見学旅行等での見学先で説明を受ける際、聴覚障がいのある児童生徒および教員に対する情報保障を行うための人員の配置や予算の配分を要望する。
【回答】
修学旅行引率旅費配分基準の見直しに当たっては、児童生徒の安全管理に支障が生じることがないよう、他県の状況を参考に、全国の平均的な引率旅費を確保するよう配慮している。
修学旅行引率旅費については、道の財政状況が極めて厳しい中、生徒数の減少に伴う引率教員数の減少や旅費の制度変更等によって変動しているが、今後とも予算の確保に努める。
特別な事情における増員の希望については、これまでと同様に、個別に協議することとしている。
ウ スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカー活用事業の拡充
手話のできる人材など、聴覚障がいのある人に対応可能なスクールカウンセラーや公認心理師の確保を要望する。
【回答】
スクールカウンセラーなどの人材の確保については、道教委ウェブページで広く周知し募集しているほか、臨床心理士会からも紹介を受けるなどして、適当と認める人を任用候補者名簿に登録するとともに、任用を行う各教育局に情報提供している。
また、本年度からは道教委ウェブページに掲載しているスクールカウンセラー任用候補者応募フォームに、手話による対応が可能である場合は記載する欄を設けるなどの改善を図っており、引き続き、人材の確保に努めていく。
エ 各障がい種校の個別事項
・視覚障がい教育
幼稚部に在籍する幼児の障がいが多様化していることから、4・5歳児学級を4歳児学級と5歳児学級の単独設置とするとともに、重複障がい学級の新設など、学級編制の見直し、改善を要望する。
広大な校区を有する盲学校・視覚支援学校において、視覚障がい教育の拠点校としての役割を果たすため、すべての学校に特別支援教育コーディネーター加配が措置されるよう要望する。
・知的障がい教育
高等支援学校の受検資格にかかわり、知的障がいを伴わない発達障がいの生徒が療育手帳の交付のみを根拠として受検する場合、当該生徒を知的障がいとする基準を明確化することを要望する。
・肢体不自由教育
肢体不自由教育校の高等部の在り方(岩見沢高等養護学校の学科の再編や義務校との役割明確化など)について、ワーキンググループの設置と具体的な検討内容、推進にかかわるスケジュールの明示および会議の開催を要望する。
・病弱教育
手稲養護学校三角山分校での学習活動の継続にかかわる課題および通学ニーズを想定した環境整備などの課題についての検討を要望する。
手稲養護学校三角山分校の学校運営にかかわる変更等がある場合には、可能な限り早期の提示をお願いするとともに、対応について学校と検討の機会を設定していただくよう要望する。
手稲養護学校三角山分校と市立札幌山の手支援学校の今後の再編に向けて、北海道の病弱教育の在り方も含め、具体的な課題の整理と検討に向けたスケジュールを示していただくよう要望する。
【回答】
・視覚障がい教育
幼稚部における学級編制の基準の新設などについて、引き続き国に要望していきたい。
特別支援教育コーディネーター加配については、関係課間で協議の上、必要数を措置している。
・知的障がい教育
療育手帳は、児童相談所または知的障害者更生相談所において「知的障害であると判定された者に対して交付される」と承知しており、交付されている生徒はすべて知的障がいがあるものと認識している。
要望に挙げられている状態の生徒がどの程度、在籍しているのかを調査した上で、校長会と基準を見直すことの必要性について意見交換を行っていきたい。
・肢体不自由教育
肢体不自由教育校の高等部の在り方については、校長会をはじめ、関係学校とも協議しながら、在り方等を検討していく。
・病弱教育
手稲養護学校三角山分校に関する課題については、学校とも十分協議しながら、対応を検討していく。
手稲養護学校三角山分校については、移転等に伴う教育環境の変化を最小限にすることなどから、当面の間、市立札幌山の手支援学校との併置としたが、今後とも、校長会をはじめ、学校や道医療センターに併設となる特別支援学校の在り方等に関する連絡調整会議などの場で協議しながら、在り方等を検討していく。
3 教員等の専門性の向上
(1)特別支援教育に関する教員研修の推進
食に関する指導や摂食指導などの知識・技能の向上を図る教職員研修の一層の充実を要望する。
生徒指導上の喫緊の課題の解決につながる生徒指導研修会(本会後援)の実施実績を踏まえ、新たに特別支援学校生徒指導連絡研究協議会の設立に向けて、行政機関などとの連携・協働体制を強化できるよう積極的な支援を要望する。
聴覚障がいを有する教職員研修では、手話通訳者の派遣を依頼したり、手話の堪能な教職員の手話通訳を担ったりしているが、手話通訳を担う教職員が研修内容についての理解が得られないことなどから、UDトークなど音声を文字に変換するシステムの導入を要望する。
【回答】
初任段階および中堅の栄養教諭等を対象とした研修に特別支援教育と栄養教諭の役割などの講座を計画し、指導力など資質・能力の育成・向上を図っていく。
また、毎年開催している道学校給食研究大会において、特別支援学校等の教職員を対象とした分科会を設け、障がいの状態や発達の段階に応じた学校給食の提供および学校給食を活用した食に関する指導について、研究発表をもとに研究協議を行い、課題解決を図る取組を実施している。
令和3年度には、本道において全国大会を開催する予定である。
生徒指導にかかわる内容は近年多様化しており、学校と行政機関が連携を図りながら取り組むことが重要と考えている。こうしたことから、生徒指導・学校安全課が実施している各種事業に基づいた研修への先生方の積極的な参加を促していただきたい。
特別支援学校に特化した生徒指導協議会については関係課や校長会とも連携しながら検討していきたい。
手話通訳を担う教職員の研修する機会を保障するため、UDトークを含む様々なソフトや機能の有効性について検証し、導入に向け取り組んでいくが、その間については、Googleドキュメントなど、無料のアプリ等を活用していただきたい。
(2)校内研修の推進
校内研修を行う際の情報保障(手話通訳または文字情報保障システム)にかかる経費について、役務費とは別の科目で配分されるよう要望する。
【回答】
特別な事情がある場合には、個別に協議願いたい。
4 一貫した支援
(1)早期からの教育相談・支援体制の構築
道保健福祉部の難聴児等支援派遣研修事業の成果と課題について整理し、今後の聾学校の役割および乳幼児相談室の在り方についての確認を要望する。
道保健福祉部主催の道新生児聴覚検査体制検討協議会における聾学校の役割について明らかにするとともに、本事業を全道展開するための施策について道教委と情報交換を要望する。
【回答】
本事業は、本年度最終年(3年計画)であり、保健福祉部と今後の聾学校の役割等について協議することとしている。今後の方向性などについては、随時、情報提供していきたいと考えており、引き続きの協力をお願いしたい。
本協議会の目的はすべての新生児が聴覚検査を受けられる体制の整備であり、聾学校は関係機関と連携して取り組む必要があるものと認識している。今後、聾学校長・教頭合同研究協議会の場などで情報交換を行っていく。
5 自立と社会参加
(1)社会性やコミュニケーション能力を伸ばす教育の充実
学校における部活動や美術作品づくりなどの取組が卒業後の余暇活動につながるよう、各自治体の障がい児者のための社会教育の充実を図る施策を要望する。
【回答】
道教委では、国から学校卒業後における障がい者の学びの支援に関する実践研究事業を受託し、障がい者の生涯学習を推進する体制づくりに取り組んでおり、今後、その成果を道内各自治体に普及していく。
(2)雇用の実現に向けた就労支援の充実―重点
各学校における卒後支援業務については進路指導業務の一環であることから、その業務内容を明確に位置付けるとともに、道費による予算化を要望する。
障がい者雇用に関する民間企業の理解を促す施策を一層充実させるとともに、各自治体などの公共機関での雇用拡大を働きかける施策を講じるよう要望する。
特別支援学校卒業生ワーキングサポート事業を見直し、障がいのある人の継続的な職場となるような制度の改善を要望する。
【回答】
卒後支援については、進路開拓に合わせて実施するなど、各学校で様々な工夫をしていると承知している。全道的にみると、毎年度、職場開拓旅費の執行残が生じている状況にあり、計画的な執行をお願いしたい。
障がい者雇用の一層の推進については、毎年、道内主要経済5団体に対して雇用要請を行うほか、北海道労働局や道経済部と連携し、障がい者雇用未達成企業に雇用に向け働きかけている。道単費事業「障がい者就労促進地域連携事業」は本年度までの実施となるが、民間企業との連携のほか、情報技術を活用した就労など、社会情勢などを踏まえた事業の実施を新たに検討している。
道教委として、特別支援学校ワーキングサポート事業は実施していないが、例年、道総務部人事課において、障がい者を対象とした会計年度任用職員を募集している。
また、道職員採用選考の受験資格について、これまで身体障がい者(視覚障がい、聴覚障がいを含む)のみを対象としていたものを、前年度から精神障がい者および知的障がい者に拡大したところであり、こうした制度を活用いただきたい。
6 交流および共同学習
(1)居住地交流の促進
副籍制度の導入をはじめ、居住地交流の充実など、交流および共同学習の充実が図られるよう要望する。
【回答】
居住地の学校に副次的な籍を置くことについては、国の動向を把握するとともに、各地域における実施状況などを踏まえ検討していく。本年度は、コロナ禍において、交流および共同学習の機会減少や中止した学校もあると承知している。
来年度以降は、従来からの直接交流に加え、GIGAスクール構想に基づき各学校に整備されたICT機器を活用するなど、間接交流も含め取り組んでいく必要があると考えており、各学校の特色ある取組を広く周知していきたい。
7 施設設備等
(1)施設設備―重点
札幌伏見、帯広養護、室蘭養護、七飯養護、東川養護など、校舎狭あい化の著しい学校における教育環境の改善について、具体的な対応案の提示を要望する。
大規模改修では工事対象とならない学校のライフライン(水道・排水)にかかる施設・設備の改修を要望する。
職業学科に設置されている大型設備(木工科・クリーニング科・窯業科等)の老朽化に伴う設備や機械の状況の定期的な調査と把握、これに基づく計画的な更新と予算措置を要望する。
学校施設補修費の十分な予算を確保し、老朽化の著しい校舎や設備の整備・補修を着実に進めることを要望するとともに、緊急を要する補修等に関しては、学校で迅速に対応できるよう予算措置を要望する。
体温調整の難しい児童生徒が多く在籍する学校に対し、空調設備の早期の設置を要望する。
調理設備等の劣化や破損による異物混入事故の未然防止のため、給食関連の運営予算を増額し、老朽化した給食設備の更新を進めていただくよう要望する。
寄宿舎の設置されている学校に対するAEDの配置を要望する。
各学校における和式便器について、使えない児童生徒が多く、保護者からも改修の要望が寄せられていることから、トイレの便器を洋式便器に改修していただくよう要望する。
【回答】
狭あい化によって、適切な教育環境が確保されていない学校については、早急に改善を図る必要があると認識しており、狭あい化の解消に向け、校舎増築のほか、高校等の空き教室を活用した整備を行うなど、可能な限り早期に対策を講じて、教育環境の改善・充実を図っていく。
施設設備の補修については、適切な教育環境の維持管理が図られるよう考えている。学校から補修調書等の提出があった際は、関係書類を確認した上で、必要に応じて、学校への聴き取りを行うなどして状況を把握し、児童生徒の安全面や運営上の面で、緊急性や優先度を判断しながら、限られた予算の範囲内で対応を図っている。
引き続き、必要な教育環境の維持管理が図られるよう、予算の確保に努めていきたい。
空調設備が設置されていない学校については、元年度から3年度にかけて各校1台整備することとしている。
また、保健室への空調設備の設置について、2年度中に全校整備予定である。
学校給食設備の更新については、厳しい財政状況にあるが、学校給食が円滑に運営されるよう、適正な予算の措置に努めるとともに、学校給食設備の更新に対する補助制度の創設を国に対し、引き続き求めていく。
児童生徒の不測の事態に備えるため、心停止者の救命に有効な早期の除細動を行うAEDをリースによって、道立学校全校に1台整備している。
寄宿舎の運営に要する経費については、道財政は極めて厳しい状況にあるが、引き続き必要な予算の確保に努めていく。
トイレの洋式化率は8割を目標としており、洋式化率の低い学校については、2年度に改修工事を実施している。
目標に満たないその他の学校については、大規模改造工事等において、学校の実情や和式と洋式の設置比率などを考慮しながら、洋式へ改修しており、引き続き、学校トイレの洋式化に取り組んでいく。
(2)スクールバス―重点
スクールバス借上契約にあっては、長期継続契約を可能とするとともに、乗務員経費については児童生徒の安全を十分確保できるよう予算の増額を要望する。
医療的ケアを要する児童生徒を含めた希望するすべての児童生徒がスクールバスの利用が可能となるよう、看護師のスクールバス添乗業務の追加と増員を要望する。
【回答】
長期継続契約については、来年度から実施できるよう、関係部局と協議している。
スクールバスの運行にかかる経費については、道財政は極めて厳しい状況にあるが、引き続き必要な予算の確保に努めていく。
非常勤看護師の任用にかかる経費については、道財政は極めて厳しい状況にあるが、引き続き必要な予算の確保に努めていく。
(3)情報化の進展に対応するICT機器等の整備―重点
ICTを活用した授業や会議等を行うための施設設備と必要機器の早急な整備をされるよう要望する。
校内ネットワークやサーバー管理をはじめ、情報教育設備機器の管理およびメンテナンス等については外部委託またはICT支援員などの専門職員を配置するなどし、職員の負担軽減と設備管理の効率化を図るよう要望する。
ICT機器の活用にかかわり、各障がいの状況に応じた入力装置が充実されるよう要望する。
短時間勤務職員や臨時職員なども含めた全職員に対するパソコンの予算化を要望する。
聾学校におけるデジタルワイヤレス補聴援助システムの早期整備を要望する。
聴覚障がいのある児童生徒や教職員に対する文字情報保障システムや遠隔TV会議システムを活用した授業、会議などの充実が図られるような環境整備を要望する。
【回答】
ICT機器等の整備については、道財政は極めて厳しい状況にあるが、引き続き必要な予算の確保に努めていく。
校内ネットワーク整備については、本年度、国の補助金を活用し、校内ネットワークの高速化や無線LANアクセスポイント整備、スクールネットの増速化などを進めている。今後、ネットワーク保守の外部委託やGIGAスクールサポーター、ICT支援員の配置など、学校教育の情報化の推進に向けた各種施策の充実に努めていく。
2年度は、国の補助金や寄付金を活用し、必要な予算を措置した。
校務用パソコンの整備については、道財政は極めて厳しい状況にあるが、引き続き必要な予算の確保に努めていく。
8 教職員関係
(1)教育職員の人事異動―重点
ア 異動要件等のさらなる改善
現在の異動要件では、人事交流の停滞およびC群校での経験者が不足している状況があることから、
・長年、基準年数者の異動を促進(特にA群)する
・異動希望者の異動の実現と留任者(希望者含む)の減少を図る
・A群から他群、A、B群からC群への異動を促進する
・他校種への異動を促進する
・年度途中での欠員状態の解消を図る
―などの異動要件の見直しを要望する。
学校事情等なくA群での同一校での長年勤務を解消するために、
・A群内での異動を認めるが、年数を限定する
・留任の期間を限定する ―など、条件等を付加し異動を促進させるようにすることを要望する。
小・中学校の人事協議と道立学校の人事協議の時期を可能な限り近日日程とし、転出と転入の人数がほぼ同数となるように人事交流枠数と交流期間を明示した上で、計画的で確実な仕組みづくりを進めるよう要望する。
障がい種による学校設置の事情を鑑み、
・C群に学校がない視覚障がい校と聴覚障がい校への配慮
・障がい種別や地域別などでの校長間での協議の実施・校長裁量枠の設定
―などの見直しを要望する。
教育職員個々の状況および学校運営上から、人事異動にかかる要綱・要領等にのっとって異動が進められない場合について、校長と担当課で協議を行うよう要望する。
C群校の専門性の安定的な維持に向け、
・中核となる経験者の一定数の確保
・C群への積極的異動者への人事評価への反映・給与面の優遇
・教員採用におけるC群勤務を限定とした経験者の採用枠の設定
―などの対策の強化および仕組みづくりの推進を要望する。
【回答】
人事異動実施要領の見直しについては、来春を目途に校長会から要望事項等を提出いただくこととしているほか、前年度人事異動実施要領を改正した高校の状況なども参考にしながら、見直しに向けた検討を進めていく。
なお、見直しまでの間、引き続き、現行異動要領の厳格な運用に努めていくので、順守について協力をお願いする。
小・中学校と特別支援学校間の人事交流については、7管内(石狩、胆振、檜山、留萌、オホーツク、釧路、根室)で実施しているところであり、いずれの管内も、毎年度実施要項を定め、あらかじめ交流期間を明示した上で希望者を募集している。
人事交流枠数については、特別支援学校から受け入れ可能数を伺った上で、校種間の転出入がほぼ同数となるよう関係学校長および教育局と協議の上、人事異動を実施していく。
視覚障がいや聴覚障がいなどの専門性を有する教員の人事異動については、これまでも学校長と協議の上、適材適所の配置に努めてきた。
法令上、教育委員会に任命権があることから、校長間での協議や校長裁量枠の設定は困難である。
教職員個々の特殊事情については、毎年度、全教職員に資料を配布して特殊事情の考え方や該当する事項を周知しているところであり、特殊事情に該当する人の異動については、学校長と協議の上、実施している。
学校運営上の留任要望については、毎年度、学校長に資料を配布して要望事項に対する道教委の考え方を示した上で、人事協議を実施している。
中堅やベテランなど、一定の経験を有する職員のC群への配置については、今後も希望地戻しを活用するなどしながら、適切に取り組んでいく。
イ 学校区分(群)の見直し
現状に即した学校区分(群)への見直し(特A群:札幌市や特B群:岩見沢市、美唄市、南幌町、余市町の設定など)が図られるよう要望する。
【回答】
人事異動実施要領の見直しについては、来春を目途に校長会から要望事項等を提出いただくこととしているほか、前年度人事異動実施要領を改正した高校の状況なども参考にしながら、見直しに向けた検討を進めていく。なお、見直しまでの間、引き続き、現行異動要領の厳格な運用に努めていくので、順守について協力をお願いする。
(2)期限付教職員や臨時職員の安定的な確保―重点
年度途中の産前・産後・育休代替教諭等の確保および年度途中の欠員解消に向けた抜本的な制度の確立を要望する。
【回答】
年度途中の代替教員等の確保については、選考検査受検者への採用交渉、ハローワークやホームページを通じた募集、教員養成大学への要請など、様々な手段を講じて取り組んでいるところであり、2年7月からは、期限付教員等の年齢要件を緩和し、60歳以上の人を任用できる取扱いとしている。
引き続き、欠員の解消に向けて努力していく。
正規教諭の採用については、一般選考に加え、不足が見込まれる教科の追加選考および期限付教諭として一定期間の経験を有する人を対象とする特別選考を実施し、人材の確保に努めている。
(3)学校職員の待遇改善―重点
ア 事務職員
事務職員や看護師の職務能力向上のため、研修機会の確保と実務研修の充実
・特に事務主任現任研修の継続、事務長の現任研修の再開
・道立学校・教育局・他の部局も含めた合同研修会の開催
―など、研修やOFF―JTの充実を図るよう要望する。
特別支援学校は、高校と比較して複雑で困難性のある業務があるため、事務職員の適切な人員配置を要望する。
就学奨励費事務手続きの簡素化を図り、処理時間の縮減による時間外勤務削減の推進について要望する。
就学奨励費の帰省費支給の帰省回数および寄宿舎食費の支給限度額を撤廃し、保護者負担の軽減を図るよう要望する。
【回答】
道立学校事務職員の資質向上については、従前から、事務長研修(新任)、事務主任研修(新任)、同(現任)、事務職員研修(新採用)、同(中堅)、同(財務実務)を実施し、事務職員研修については、事務局職員と合同で実施しており、今後も継続して実施していきたい。
また、職務換職員に関しては、希望者に対し実務研修期間を延長する措置を講じている。
今後も、可能な限り研修の確保に努めるとともに、実施に当たっては内容を見直し、行政職員の資質・能力の向上に努めていきたい。
事務職員の人事については、人事異動方針に基づき、所属長との人事協議を踏まえ、適切な配置となるよう努めていきたい。
就学奨励費事務手続きで必要な各種様式の記載内容の簡素化や押印欄の廃止など処理時間の縮減に向け、適切に対応していきたい。
帰省費や寄宿舎食費については、道財政の厳しい状況から道独自の措置は困難であるが、引き続き、国に対して補助対象となる帰省回数や支給限度額の拡充について要望していきたい。
イ 臨時職員
現行の非常勤給食調理員の配置では、食数の多い学校は調理業務に支障が出ているため、臨時給食調理員の配置を要望する。
【回答】
非常勤給食調理員の配置基準は給食対象食数等によって定められており、現行の配置基準を上回る措置については、現在の厳しい財政状況の中では困難な状況にあるが、状況に応じた対応を引き続き検討していく。
9 その他、学校運営等にかかる課題
(1)公立特別支援学校配置計画
配置計画(知的単置校)の策定に当たっては、入学志願者の増加が見込まれる都市部の学校と入学志願者の減少が見込まれる地方の学校の状況を踏まえるよう要望する。
【回答】
高等支援学校については、圏域ごとに、入学希望者数に見合った定員を確保することを基本としているが、学級の増減に当たっては、施設の状況や学科のバランスなどのほか、個々の学校への出願状況なども考慮している。
(2)働き方改革に関する諸事項
働き方改革において、今後の施策の見通しを明確にするとともに、変形労働時間制の導入など今後新たな取組を行う場合は、十分な説明と導入までの十分な準備時間を確保していただくよう要望する。
【回答】
来年度以降の北海道アクション・プランの方向性について現在検討中であり、校長会に対して意見を伺っているところだが、検討状況について適切に情報提供していく。
また、1年単位の変形労働時間制など新たな取組については、必要に応じ適宜情報提供するとともに、導入に当たり制度内容など丁寧に説明するよう努めていく。
(道・道教委 2021-01-14付)
その他の記事( 道・道教委)
道教委 障がい者の生涯学習推進会議 3年度 新規に連携事業 2月 コンファレンス開催へ
道教委は14日、令和2年度障がい者の生涯学習推進コンソーシアム形成事業第3回地域連携コンソーシアム会議を開いた。構成員13人が出席。担当者が2月16日にオンラインで実施するコンファレンスの...(2021-01-18) 全て読む
道教委・札幌市教委 220校実施 19日から受付 3年度公立高入選概要
道教委と札幌市教委は15日、令和3年度公立高校入学者選抜実施概要を発表した。入選の実施学校数は、前年度比3校減の220校。課程別内訳は、全日制単置が180校、全定併置が31校、定時制単置が...(2021-01-18) 全て読む
道社教委員・生涯学習審開く 家庭教育支援事例発表等
道社会教育委員の会議兼第15期道生涯学習審議会第2回会議が13日、札幌市内かでる2・7でオンライン開催された。委員13人が出席。文部科学省職員による行政説明や委員による家庭教育支援事例等の...(2021-01-15) 全て読む
道教委 遠隔で探究活動キャンプ 潜在能力を探り生かす 地域創生へ高校生が提案
道教委は8日から2日間、道庁別館をメーン会場にオンラインで全道をつなぎ探究活動キャンプを開いた。全道から高校1・2年生54人が参加。講演や説明などを通して地域創生について理解を深め、全16...(2021-01-15) 全て読む
道教委 全国学力調査質問紙調査 話し合い活動で考え深化 継続的検証サイクル確立へ
道教委は13日、令和2年度全国学力・学習状況調査児童生徒質問紙調査の集計結果(参考値)を公表した。「話し合う活動を通じて考えを深めたり、広げたりできた」児童生徒が小中学生ともに3割を超え、...(2021-01-15) 全て読む
道教委 高校魅力化の手引 多様な選択科目開設など HPで公開 具体的な取組例示
道教委は、『地域創生に向けた高校魅力化の手引~高校と地域の連携・協働を進めるために』(A4判、96ページ)をまとめた。生徒や保護者、地域にとっての高校の魅力化を実現するため、多様な選択科目...(2021-01-14) 全て読む
道教委 医療的ケア看護師等研修会 “安全”を学びの対象に 教員との協働考える
道教委は7日、学校における医療的ケアに関する看護師等研修会をオンライン開催した。医療法人稲生会の土畠智幸理事長が「医療安全と学びのジレンマから看護師と教員の協働を考える」と題して講義。アン...(2021-01-13) 全て読む
道教委 道立美術館HPを一新 ポータルサイト開設へ 6月以降 多言語化等に対応
道教委はことし6月以降、インターネット上に道立美術館5館の総合入り口「道立美術館ポータルサイト」の開設を計画している。本年度から取り組んでいるデジタル・北海道アートミュージアム事業の一環。...(2021-01-12) 全て読む
道教委 アドバンスト学習キャンプ 進路実現目指し研鑚 感染対策万全に講演や講義
道教委は6日から2日間、令和2年度アドバンスト学習キャンプを行った。道内4会場をウェブ会議システムZoomでつなぎ約70人が参加。新型コロナウイルス感染症対策に努めた上で、外部講師による講...(2021-01-12) 全て読む
道教委 道立校教育職員の時間外勤務 高校 7月は45時間超49% 全職員平均で49時間に
道教委は、道立学校の教育職員にかかる時間外在校等時間(第2・四半期)を公表した。7月に時間外在校等時間が45時間を超えた職員の割合は、高校が49%、特別支援学校が11%。夏季休業期間を迎え...(2021-01-08) 全て読む