ウィズコロナ時代の学びの保障 教育デジタル化 不可欠 道総合教育会議で新保理事長(道・道教委 2021-01-25付)
初めてオンラインで開催
道は21日、道庁本庁舎で令和2年度第1回道総合教育会議を開いた。特定非営利活動法人ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長が「Withコロナ時代における学びの保障」をテーマに発表し、今後の教育の質の維持・向上のためには、教育のデジタル化が不可欠と提言。日常的な機器の活用、成功事例の共有と現実的な研修の実施などが鍵になるとした。
道総合教育会議は、知事と教育委員会が地域の教育課題やあるべき姿を共有し、教育行政を進めることを目的に開催。鈴木直道知事のほか、ウェブ会議システムで道教委の小玉俊宏教育長、委員らが出席した。初のオンライン開催。
鈴木知事のあいさつに続き、道総合政策部の千葉繁情報統計局長が「北海道Society5・0の実現に向けた取組について」と題し、概ね10年後の未来社会の実現を目指す道Society5・0推進計画の概要を説明。
小玉教育長は、「学びの保障に向けた道教委の取組」をテーマに、ICT活用ポータルサイトの公開など道教委の取組を紹介した。
続いて、新保理事長が「北海道Society5・0実現に向けた、学校の日常改善への道~Withコロナ時代の学びの保障 GIGAスクール構想でピンチをチャンスに」と題して発表。生産年齢人口の減少等を踏まえ、今後の教育の質の維持・向上には教育のデジタル化が不可欠とし、協働学習、個別指導、調べ学習など端末を活用した現場の実践を伝えた。
授業準備の負担軽減など業務改善にもつながることから、「教員が魅力的な職業になれば採用倍率も上がる。学校の情報化の可能性は大きい」と指摘。広域分散型社会の本道においては、特に遠隔合同授業や遠隔研修、地域学習の充実など利点も大きいとし、北海道の魅力を深く学ぶ「ほっかいどう学」のデジタル教材の開発を紹介した。
今後の課題として、情報化の必要性への理解が教員・社会・保護者で不十分であること、機器が導入されても活用しないことが想定されることを挙げ、日常的な機器の活用、通信速度の確実な確保、成功事例の共有と現実的な研修の実施が鍵になると説いた。
意見交換で道教委の山本伸弘委員は、ICTがさらなる教育の向上につながることが期待される一方、子どもの関心や意欲、それらを支える家庭環境が学力差につながることを懸念。一人ひとりの特性や理解度に応じたきめ細かい指導が一層求められるとした。
青山夕香委員は、子どもたちが北海道を深く知るほっかいどう学への期待を示し「北海道の魅力を感じられる教育は、保護者としても楽しみ」と述べた。
渡辺一人委員は、端末の長期使用による健康への影響は不明な部分も多く、今後進められる研究の知見をもとに改善し、心身の健康に配慮する重要性を指摘した。
川端絵美委員は、アルペンスキーのオリンピアンとしての立場から、地域を学び郷土愛を育む重要性にふれ「ICTを活用し、全道にいる各競技の専門家から子どもたちが学べる時代になれば」と期待した。
橋場弘之委員は、1人1台端末の活用には高速大容量のネットワーク、クラウドの利用が不可欠であることから、北海道のセキュリティ・ルールの見直しの重要性を示した。
小玉教育長は、実際に端末を活用して慣れてもらうよう学校現場に求めていく考えを示し、行政部局と教育委員会による横断的な取組を進め、連携強化を図っていくとした。
(道・道教委 2021-01-25付)
その他の記事( 道・道教委)
道教委 公立高入選の当初出願状況 全定合わせ30946人 平均0・93倍 7年連続減
道教委は26日、令和3年度公立高校入学者選抜の当初出願状況を発表した。全日制・定時制を合わせた募集人員(有朋を除く)3万3100人に対して、3万946人が出願。全・定合わせた平均倍率は、前...(2021-01-27) 全て読む
パネル討論と企業インタビュー 十勝で働く魅力を発信 十勝局 高校生向け動画制作
【帯広発】十勝教育局は独自の取組として、十勝管内で働く魅力や若手人材の活躍をDVD「とかちで、はたらこう!」にまとめ、管内高校生に向けて発信する。DVD作成は、新型コロナウイルス感染症拡大...(2021-01-27) 全て読む
道教委 遠隔教育フォーラム ICT“標準化”必要 北大・重田准教授が助言
道教委は22日、道庁別館で新時代の学びにおける先端技術導入実証研究事業遠隔教育フォーラムを開いた。幌延町立幌延中学校(小野篤夫校長)と問寒別中学校(本田辰也校長)の合同授業を遠隔で参観。北...(2021-01-26) 全て読む
第3回道文化財保護審議会 ふるさと納税等活用を 文化財修繕資金調達で意見
道文化財保護審議会は22日、ウェブ会議システムを使って第3回審議会を開いた。委員15人が出席。委員改選後、初の開催となり、会長に札幌学院大学の児島恭子教授を選出。意見交換では、文化財の修繕...(2021-01-26) 全て読む
石狩局独自 保護者ニーズ対応 2月から「いしかり局ちゃんねる」 生活習慣等題材に講習
石狩教育局は、ウェブ会議システムによる局独自の遠隔講習「いしかり局ちゃんねる」を開始する。2月3日を皮切りに計6回の講習を計画。管内小中学生の保護者、教職員、地域住民などを対象とし、生活習...(2021-01-25) 全て読む
道教委が幼児教育相談員派遣事業 登園バス換気法等学ぶ 十勝管内10幼稚園対象に
【帯広発】道教委は21日、道庁別館、道医療大学、十勝管内の幼稚園10園をウェブ会議システムで接続し、幼児教育相談員派遣事業をリモート開催した。複数園での合同開催は今回初めて。道医療大看護福...(2021-01-25) 全て読む
中高生向けしごとガイド2020 基幹産業 魅力を紹介 道教委 職業選択の一助に
道教委は、中高生向けに『おしごとガイドブック2020年版』を作成した。林業、漁業、農業、建設業の4つの基幹産業について、各分野で働く先輩が職業の魅力を紹介。将来の職業選択に役立てるよう期待...(2021-01-22) 全て読む
道教委 学園ネットコミュニティ 知恵ぶくろ等 内容確認 義務教育学校等から60人
道教委は20日、第1回学園ネットワークコミュニティ(がくえんネット)研究実践事業第1回情報共有会をビデオ会議サービスGoogle Meetを使って開いた。義務教育学校、義務教育学校の設置を...(2021-01-22) 全て読む
定時退勤日 月2回以上実施 檜山97% 8管内9割以上 道教委 働き方改革管内別状況
道教委は、令和2年度学校における働き方改革北海道アクション・プランにかかる市町村立学校の管内別取組状況(札幌市除く)をまとめた。定時退勤日を月2回以上実施している学校の割合は、檜山の96・...(2021-01-21) 全て読む
道教委等 学校給食コンクール 平取小が最優秀賞に 平取高生考案の献立提案
道教委と道学校給食会(千葉俊文理事長)は19日、道庁別館で道学校給食コンクールを開いた。テーマ「コロナに負けるな!食べて応援道産食品」のもと、道内から選ばれた4チームがそれぞれ考案した献立...(2021-01-21) 全て読む