道教委 遠隔教育フォーラム ICT“標準化”必要 北大・重田准教授が助言
(道・道教委 2021-01-26付)

 道教委は22日、道庁別館で新時代の学びにおける先端技術導入実証研究事業遠隔教育フォーラムを開いた。幌延町立幌延中学校(小野篤夫校長)と問寒別中学校(本田辰也校長)の合同授業を遠隔で参観。北海道大学情報基盤センターの重田勝介准教授が指導助言し、ICT利活用の標準化など端末の本格運用に向けたポイントを伝えた。

 ICTを活用した遠隔教育の普及啓発に向け、授業観察や研究協議などを通し、広域分散性による教育課題の解消、遠隔教育を含む教科等の指導力向上に資することがねらい。

 ウェブ会議システムで小・中学校、高校の教職員、市町村教委の指導主事、教育局の担当指導主事、教員志望の大学生ら計約60人が参加した。

 開会に当たり髙木順一教育環境支援課長は、学校のICT化が加速する今、遠隔教育をいかに効果的に取り入れるかが重要なポイントになるとし、情報活用能力の育成や指導力の質的向上につながるよう期待した。

 続いて、事業実証校である幌延中、問寒別中の合同授業の様子を遠隔で参観。「地域や学校がもつ課題に対し、どのように遠隔教育に取り入れていくか」をテーマに協議した。

 遠隔教育実証研究委員を務める重田准教授が「北海道における遠隔教育の可能性と今後の展望」をテーマに指導助言・講話。教員による復唱や振り返りといった意思疎通の工夫、機器の使用方法など2校の取組を高く評価した。

 北大でも令和3年度から端末の必携化を実施予定と伝え、アプリの管理や紛失時の対応などの端末の一括管理を行うMDM(端末管理システム)の導入を提案。IDを計画的に管理し、学習関連データの保全方法をあらかじめ決めておくよう求めた。

 効果的な遠隔教育の実施に向けては、ICTの利活用や指導案のひな形の作成、端末の利用ルールやFAQの整備といった一定の“標準化”が必要と指摘。先進的な取組事例の定期的な共有、教員同士のつながりを形成する教育委員会の役割が大切と説いた。

 質疑応答で参加者から「悪口やいじめなどトラブルの不安から児童間のコミュニケーションアプリの利用を認可できない」との意見があり、あらかじめアプリの目的を伝えて保護者と共有し、公的な場として位置付けるよう助言した。

(道・道教委 2021-01-26付)

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