道研 クラウド活用授業モデル研究 災害対策など伝え合う 深川・留萌の2校が社会授業(道・道教委 2021-02-04付)
ビデオ会議システムで学校間を接続(写真は東光小)
道立教育研究所は2日、留萌市立東光小学校(早坂康校長)と深川市立納内小学校(阿部博昭校長)でクラウドサービスを活用した授業モデル研究開発事業を実施した。クラウドサービスとビデオ会議システムを用いて2校合同型の社会科授業を展開。ICTを活用した学習活動の充実に向け、クラウドサービス活用方法などの在り方を探った。
事業は、道研が本年度から3ヵ年計画で進めているプロジェクト研究「〝未来の教育〟の在り方に関する研究」の一環。
クラウドを活用した授業モデルの研究開発等を通して、クラウドサービスの操作を含めた基本的な活用方法について理解を深めるほか、研究成果などを普及啓発することによって、ICTを活用した学習活動の充実を図ることを目的としている。
実践校に9校、協力校に4校を指定。
実践校9校を3グループに分け、授業モデルの実践および研究協議に取り組んでいる。
各グループの学校をビデオ会議システムでつなぐほか、学習用クラウドサービスG Suiteを活用して遠隔合同型の授業を展開している。
2日は、2校をビデオ会議システムで接続して授業を実施。事業の実践校と協力校合わせて4校がビデオ会議システムで参観した。
実施に当たっては、道研附属情報処理教育センターの山寺潤主任研究研修主事がコーディネート役として2校の進行状況を確認し、円滑な交流を支援した。
授業は、5年生の社会科の単元「自然災害とともに生きる」。
本時は9時間扱いの8時間目で、目標を「様々な種類の自然災害の発生と自然条件との関連のほか、防災・減災に向けた対策や事業の役割について考え、適切に表現する」と設定した。
これまで2校では、日本の自然災害の種類やその対策、それぞれの地域での自然災害や防災・減災対策について学習している。
2校は、前時の学習を振り返った上で、児童に道内各地で行われている災害対策を伝え合い、防災や減災に向けた取組について考えをまとめることを求めた。
続いて、それぞれの地域の自然災害や対策を伝え合う学校間交流を実施した。東光小は、民家等の屋根からの落雪被害防止に向けたパトロールや大雨による地すべり防止対策などについて、納内小は台風による被害を防ぐための対策や氷結路面への対策などについて、相手に伝わるよう「パトロールの実施主体はどこか」などと質問を交えながらそれぞれ発表した。
発表に当たっては、クラウド上にそれぞれの説明資料を共有。
説明を聞いたり、班ごとにタブレット端末で資料を確認したりすることで、それぞれの地域での自然災害や防災・減災についてより理解を深めた。
2校の発表を踏まえ振り返りを実施。「留萌では雪、納内では川の災害が多いことが分かった」「たくさん災害があって様々な対策が行われている」「いつ大きな災害が起こるか分からない。いつ起きてもいいように準備したい」などと考えを交流した。
授業後、オンライン会議システムで研究協議。事業の成果について、「同じクラウドサービスを用いて学習することで、離れた学校でも交流しやすくなる」「少子化で子どもの数が減る中、一定のまとまりで交流できることから多様な考え方を学ぶことができる」「他校の児童に発表することを通して児童の自信につながる」などの声が上がった。
一方、今回の事業実施で、授業の準備などに時間がかかること、児童によってはクラウドサービスの活用に手間取ることなどが課題として挙がった。
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クラウド上でそれぞれの災害に関する説明資料を共有
(道・道教委 2021-02-04付)
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