道教委 体力分析ツール調査結果 小1 4種目で平均以上 家庭で可能な運動動画配信へ(道・道教委 2021-02-04付)
道教委は、児童生徒の体力・運動能力を把握するため独自に作成した新体力テスト分析ツールによる令和2年度の調査結果をまとめた。全学年の記録とスポーツ庁の令和元年度体力・運動能力調査報告書などの数値をもとに比較・分析。小学校では、1年生が男女共に握力、20㍍シャトルランなど4種目で全国を上回った。一方で、中学2年生と3年生はすべての種目で元年度の全国を下回る結果となった。道教委は今後、児童生徒が学校や家庭で取り組むことのできるリズム運動の作成や動画の配信などを行い、児童生徒一人ひとりに応じた体力・運動能力の向上に努めていくとしている。
スポーツ庁は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等を考慮して、2年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査を中止。道教委は、長期にわたる臨時休業などの影響によって児童生徒の体力や運動能力の低下が懸念されている状況を踏まえ、各学校が児童生徒の体力の状況を把握し、体力向上の推進に向けて授業改善を図れるよう昨年6月に新体力テスト分析ツールを作成した。
6月25日付で各学校に配布。
調査は同日から12月14日までで、札幌市を除く小・中学校、義務教育学校の全学年を対象として実施。記録の提出は任意とし、今回のデータは市町村や学校によって、実施学年などが異なるため、傾向として示した。
結果の提出があった全道の学校の児童生徒の割合は、小学校が全学年を平均して21・7%、中学校が24・4%だった。
調査結果は各学年の男女別種目別の記録と、元年度体力・運動能力調査などの記録を比較。全国を50にしたときの数値、T得点を算出した。
元年度体力運動能力調査(全学年)との比較・分析をみると、小学1年生で種目別に全国を上回ったのは、男女共に握力、20㍍シャトルラン、立ち幅跳び、ソフトボール投げ・ハンドボール投げの4種目だった。
6年生で前年度の全国を上回ったのは、男女共に握力の1種目だった。また、男子の50㍍走、男女の20㍍シャトルランは5ポイント以上、下回った。
中学2・3年生は、すべての種目で前年度の全国を下回り、5ポイント以上、下回ったのは、女子の上体起こし、立ち幅跳び、男女の反復横跳び、20㍍シャトルラン、持久走、50㍍走。学年が上がるに連れ、全国を5ポイント以上、下回る種目が増える傾向がみられた。
元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査(小学5年生、中学2年生)との比較・分析について、特に中学生は、20㍍シャトルランと50㍍走で男女共に低下傾向がみられ、T得点が1ポイント以上低下し、全国を5ポイント下回った。
これらの分析結果を踏まえ、道教委は、小学校で「1校1実践による体力向上の取組や休み時間等における屋外や体育館での遊びが定着していることが、体力の全般的な維持につながっている」と分析。
一方、中学校では、臨時休業や外出自粛等によって生徒の運動機会の確保が不十分であったことや、部活動の長期にわたる自粛等によって、全般的に体力の低下がみられ、特にスピードおよび全身持久力の低下につながっているとしている。
道教委は、今後、児童生徒が学校や家庭で取り組むことができるリズム運動の作成や動画の配信のほか、道体力向上推進会議の開催、資料の作成を通し、体力向上の推進に向けて取り組んでいく考え。
(道・道教委 2021-02-04付)
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