石狩局 管内教育実践表彰 8校・1団体 栄誉輝く
(道・道教委 2021-02-04付)

 石狩教育局は、令和2年度管内教育実践奨励表彰の受賞校・団体を決定した。学校教育では、千歳市立青葉中学校、北広島市立西の里小学校、同西の里中学校、当別町立当別小学校、同西当別小学校、札幌手稲高校、札幌稲雲高校、札幌視覚支援学校が受賞。社会教育では、千歳市子ども会育成連合会が栄誉に輝いた。表彰状の贈呈式は、新型コロナウイルス感染症の影響で時期は未定。

 受賞校・団体の功績概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼千歳市立青葉中学校(小笠原輝幸校長、生徒数321人)=「21世紀の担い手として活躍する人間性豊かな生徒の育成」

 長年にわたり、「すぐれた知性」「豊かな情操」「強靱な意志と体力」「主体的な行動力」を教育目標に掲げ、家庭や地域と連携しながら、特色ある教育活動の推進に努めている。

 特に、平成30年度からは、「小中一貫教育支援事業」指定校として、複数教員による相互乗り入れ指導や、小中の系統性・連続性を踏まえた年間指導計画の工夫改善、児童生徒合同の学習活動を実施するとともに、全道研修会において乗り入れ指導の工夫について発信するなど、小中一貫教育の推進に向けて大きな成果を上げている。

 また、「自ら学びに向かう生徒の育成」を研究主題に掲げ、生徒が自ら考えを広げたり、深めたりする場面の設定やICTの効果的な活用、課題とまとめの位置付けなど、各教科等における日常の授業改善に向けた実践は高く評価できる。

 平成30年度小中一貫教育支援事業指定校、令和元年度石狩管内教育研究会学校課題研究発表会開催。

▼北広島市立西の里小学校(中川幹彦校長、児童数376人)、西の里中学校(=松篤校長、生徒数228人)=「確かな学力とコミュニケーション能力の育成」

 長年にわたり、両校において、「自ら学ぶ意欲と確かな学力を持つ子どもを育てる」「賢く」「優しく」「たくましく」などを教育目標に掲げ、家庭や地域と連携しながら、特色ある教育活動の推進に努めている。

 特に、平成30年度からは、北広島市において小中一貫教育を導入し、西の里中学校区の目指す子ども像の実現に向け、義務教育9年間を見通した系統的な指導を進めるとともに、学習規律等を中心に、学習環境の整備に努めるなど、小中一貫教育の推進に向けて大きな成果を上げている。

 また、「“確かな学力”の向上を目指した小中一貫教育における指導および教育課程の工夫改善」を小・中学校共通の研究主題に掲げ、「わかる・はなす・みにつく」学習過程を重視するなど、日常の授業改善に向けた実践は高く評価できる。

 令和2年度石狩管内教育研究会学校課題研究発表会開催。

▼当別町立当別小学校(昇洋一校長、児童数297人)、西当別小学校(伊東優子校長、児童数230人)=「社会を背負う、世界にも通用する“知・徳・体”を備えた人の育成」

 長年にわたり、両校において、「知性をみがく子ども」「心豊かな子ども」「心ゆさぶる感性」「学び求める知性」などを教育目標に掲げ、家庭や地域と連携しながら、特色ある教育活動の推進に努めている。

 特に、平成30年度からは、「授業改善推進チーム活用事業」指定校として、校長の方針のもと、授業改善推進教員作成の通信を活用した校内研修の充実を図るとともに、両校が協力し、学力向上に資する日常の授業改善を推進するなど、町全体の学力向上に向けて大きな成果を上げている。

 また、町の学力向上プランの具体的な方策に、授業改善推進チーム活用事業の取組を位置付け、学力向上を軸とした小中一貫教育の取組を進めるなど、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善や教職員の資質向上に向けた実践は高く評価できる。

 平成30年度授業改善推進チーム活用事業指定校。

▼札幌手稲高校(渡辺祐司校長、生徒数920人)=「カンボジアへの寄付活動を通した国際理解教育の推進」

 平成21年度から、家庭クラブにおいて、手づくりマドレーヌの販売などによる売り上げ金を、井戸を建設するためカンボジアの小学校に寄付しており、生徒や地域住民に広く呼びかけ、これまでに通算12基の井戸を寄贈している。

 特に、令和元年度には、カンボジアを訪問し、井戸贈呈式に参加するとともに、小学校での空手道の演武披露や、スラム街での衣類配布活動への従事など、積極的に国際貢献に取り組み、大きな成果を上げている。

 カンボジア訪問についての報告会を実施し、生徒の国際協力に対する理解を深める取組を推進するとともに、学校ウェブページや学校だよりを通して情報発信するなど、成果は広く地域に還元されており、その実績は高く評価できる。

▼札幌稲雲高校(遠藤直樹校長、生徒数826人)=「学校の教育活動全体を通して組織的に行う人権教育の推進」

 令和元年度において、文部科学省「人権教育研究指定事業」の研究指定校として、主体的に取り組む態度と高い人権意識をもった地域・社会に貢献できる人材の育成を目指して、学校の教育活動全体を通して組織的に行う人権教育の在り方にかかる調査研究を行っている。

 特に、人権教育についての取組を通して、生徒に身に付けさせたい資質・能力を明確化して指導の体系化を図ったり、外部機関と積極的に連携したボランティア活動や、福祉体験学習を実施して自尊感情の醸成や他者との受容的・共感的な人間関係を構築したりするなど、大きな成果を上げている。

 また、研究成果を学校ウェブページや各研究協議会、研修会などを通じて周知することによって、各学校における人権教育の推進に資するなど、その実績は高く評価できる。

▼札幌視覚支援学校(木村浩紀校長、生徒数93人)=「コロナ禍におけるICTを活用した学びの保障の実践と学習意欲の向上」

 平成29年度から、道立特別支援教育センターの研究協力によって、ICTを活用した教育実践を推進し、遠隔テレビシステムを活用した道内の視覚支援学校などとの合同授業等を通して、コミュニケーション能力や学習意欲の向上のための取組を行っている。

 特に、新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休業期間中においては、時間割を編成して、ウェブ会議システムZoomを活用したオンライン授業を各家庭に配信し、家庭学習の充実を図るなどの学びの保障を実践し、大きな成果を上げている。

 また、臨時休業後においても、感染症への不安や風邪症状などで登校できない児童生徒に対して、オンライン授業を実施し、欠席する児童生徒に学習の遅れが生じないよう対応するなど、その実績は高く評価できる。

【社会教育】

▼千歳市子ども会育成連合会(四方信次会長、会員数65人)=「持続可能な運営と次世代を担う子どもたちの健全育成に貢献」

 昭和41年、子ども会活動を通して青少年の健全育成を図るため、5団体で発足した。現在は、町内会の青少年部長や連合会の目的に賛同した青少年育成活動の経験者、市内中高生のボランティア団体「つばさ」を卒業した若手経験者が会員となり、20代から80代までの65人で活動している。

 夏休みに緑の村キャンプ大会、12月にちとせの子どもクリスマスの集い、2月にちとせっ子雪遊びの3つの大きな行事を継続して実施している。町内会からだけでなく、参加者を広く募り、幼児から小中学生100人前後が参加している。

 子ども会活動が時代とともに変わっていく中、持続可能な活動を目指し、地域と世代の違う仲間たちの交流の場を提供し、次世代を担う子どもたちの健全育成を目的に活動を続けている。

(道・道教委 2021-02-04付)

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