日本教育会道支部　組織マネジメント研修　未来を予測すること重要　九大院教授　校長の役割示す

（関係団体 2021-02-25付）

　日本教育会道支部（諏江康夫支部長）は２０日、令和２年度オンライン研修会「これからの学校組織マネジメントの在り方」を開いた。九州大学大学院人間環境学研究院の元兼正浩教授が校長のマネジメントやリーダーシップの在り方を示し、学校の目指すビジョンの魅力化と共有、達成のための戦略的な発想や、未来を予測する校長の役割の重要性を提起した。

　日本教育会道支部は、創立４０周年を迎えた元年度、道内を巡回する研修会を企画。第１回を倶知安町で開催し、各会員に研修の機会を提供した。

　本年度の第２回研修会はは昨年秋に予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、オンラインで開催した。

　道内外の教職員ら約１２０人が参加した。

　はじめに、諏江支部長が「研修の成果を、北海道の子どもたちや教職員に還元してもらい、有益な研修会となってほしい」と期待した。

　続いて、元兼教授が講演。

　学校における課題や目的を明確化し、教職員が貢献意識をもつ学校組織をつくるため管理職のマネジメントが重要になるとし、言葉によって部下の意欲を高めるリーダーと、制度や規則によって組織を管理・維持するマネージャーの特性を対比して示した。

　教育問題が社会的に構築されることで問題の本質を見失う可能性を懸念し、現実の子どもの実態を出発点とする重要性を提起。教頭職が多忙であることは、校長、教職員、保護者、教育委員会と多くの期待を担っている裏返しでもあるとし「組織は互いの期待に応え合って初めて動き出す。今回のコロナ禍でも、期待に応えることができたのか、あらためてみつめ直す必要がある」と述べた。

　学校が目指すビジョンが魅力的なものとなるよう、関係者間で協議・共有するとともに、達成のための戦略的な発想が必要とし、カリキュラム・マネジメントや人材育成など校長の専門職基準を説明。「経営者にとって重要なことは未来を予測すること。皆さん自身が学び続け、背中で率先垂範してほしい」と激励した。

(関係団体 2021-02-25付)