道中 働き方改革報告書 各地区調査結果③(関係団体 2021-02-24付)
◆空知地区
▼働き方改革の推進状況
▽地区内の現状
令和2年度学校における働き方改革に関する道内調査において、教職員の出退勤時刻の把握方法は、「校務支援システム等」が41%、「ICカード、タイムカード、出退勤ソフト等」が29%であった。
教職員の多忙・負担感が大きいと思われる業務では、学校運営にかかわる業務の「職員会議・学年部会・分掌部会などの会議」が54%、「学校運営」が39%であった。「その他」として「新型コロナ感染症拡大防止対応による業務および教育課程の頻繁な変更」が挙げられた。
生徒指導にかかわる業務では、「部活動指導」が95%と高く、「生徒指導」が49%であった。
外部対応や校外での業務では、「保護者・PTA対応」が80%で、「行政・関係団体対応」が51%を占めた。
▽これまでの取組状況
道内調査におけるこれまで取り組んできた業務改善では、「ガイドラインに沿った部活動の活動時間や休養日の設定」(98%)、「長期休業期間内における一定時間の学校閉庁日の設定」(98%)、「研修や諸会議の内容の精選と時間短縮」(88%)が上位を占めた。
この中で成果があった取組として挙げられたのは、「ガイドラインに沿った部活動の活動時間や休養日の設定」(95%)、「長期休業期間内における学校閉庁日の設定」(88%)となっている。
学校における働き方改革を進めるために必要な事項で挙げられたのは、「教職員定数の見直しや給与待遇改善、予算拡充」(100%)、「部活動指導員やスクール・サポート・スタッフ、スクールロイヤーなどの配置」(78%)、「指導方法工夫改善や初任者研修制度等に対応した教員の加配措置」(59%)であった。
▼具体的な取組
▽空知地区の取組
空知地区では前年度、空知校長会アクション・プランを策定し、これに基づき各学校が取組を進めてきた。
本年度はアクション・プランを改定し、具体的な取組として、勤務時間についての意識改革の促進と情報交流、効果的な学校体制の取組と地教委との連携、校務支援システムの導入状況の交流、教頭会との連動による空知校長会アクション・プラン(改定版)に基づく取組等を行っている。
また、各市町ごとの小・中学校における推進状況や課題に関するアンケート調査を行い、調査結果を共有することができた。
▽各市町の取組
A市では、校務支援システムの導入によって業務の一元化が図られ、無駄な労力やそれに費やす時間が短縮でき、校務の効率化につながっている。また、職員室の掲示板を活用し、連絡・確認事項の周知徹底を図るなど、ペーパーレス化も進み、取組の成果が上がっている。
B市では、部活動指導にかかわる見直しとして、部活動休止日・活動時間の徹底、実践事例の集約と紹介等の取組を行っている。
▼成果と課題
▽成果
校長のリーダーシップのもと、コロナ禍における教職員の勤務環境の整備やメンタルヘルスへの対応等が適切に行われている。
市町教委との連携によって、学校閉庁日や部活動休養日の設定、校務支援システムの導入など、徐々にではあるが、一定の前進がみられる。
▽今後の課題や方向性
道教委による2年度末までに目指す指標や、空知校長会アクション・プランの検証を確実に実施し、実効性のある取組へと改善し推進していく必要がある。
◆胆振地区
▼働き方改革の推進状況
▽地区内の現状
2年度学校における働き方改革に関する道内調査における教職員の出退勤時刻の把握方法は、「校務支援システムや各市町が独自で開発したソフトなどICTの活用」が95%、「報告・点呼等」が5%であり、「特に行っていない」という学校はなかった。
教職員の多忙・負担感が大きいと思われる業務について、学校運営にかかわる業務では、「職員会議・学年部会・分掌部会などの会議」が60%で最も高く、次いで、「調査への回答事務」が43%であった。
生徒の指導にかかわる業務では、「部活動指導」が81%を占め、次いで、「生徒指導」が67%、「出勤時刻前退勤時刻後の業務」が50%と高い割合であった。
外部対応や校外での業務では、「保護者・PTA対応」が76%で最も高く、次いで、「校外での研修会・会議・打ち合わせ」が45%であった。
▽これまでの取組状況
これまで取り組んできた業務改善では、「長期休業期間内における一定時間の学校閉庁日の設定」(98%)、「ガイドラインに沿った部活動の活動時間や休養日の設定」(95%)、「学校行事(家庭訪問なども含めた)の精選・縮小」(83%)が上位を占めた。この中で成果のあった取組として、9割の学校が「長期休業期間内における一定時間の学校閉庁日の設定」「ガイドラインに沿った部活動の活動時間や休養日の設定」と回答している。
学校における働き方改革を進めるために必要な事項として、「教職員定数の見直しや給与待遇改善、予算拡充(または教職調整額の見直し)」(90%)や「部活動指導員やスクール・サポート・スタッフ、スクールロイヤーなどの配置」(81%)を挙げる学校が多かった。
▼具体的な取組
▽胆振地区の取組
胆振管内校長会では、胆振教育局の指導助言のもと、市町教委や管内教頭会と連携・協働しながら教頭業務の改善、ノー部活動DAY(毎月第3日曜日)の取組を推進し、各団体の代表で構成される働き方改革推進会議において進ちょく状況を点検している。
▽各市町の取組
教育委員会と連携しながら、働き方改革の取組に対する家庭・地域への啓発や諸会議等の回数・時間・参加等の見直しが進められている。
また、管内の半数の市町が校務支援システムを導入しており、多くの学校で事務作業や情報共有、諸会議の効率化が図られた。
勤務時間外の電話対応について、3市町が留守番電話を導入しており、3市町が導入を予定している。教育委員会が対応しているという市町もあった。
▼成果と課題
▽成果
「定例教頭会議の実施回数減」「教員と事務職員・事務員・用務員の業務分担の見直し」「特別支援教育支援員・学習支援員・介護員・スクールカウンセラーの計画的配置」「域内で学校閉庁日を統一して設定し広報紙で周知」など、それぞれの市町や学校の実態に応じた創意工夫ある取組が推進されている。
▽今後の課題や方向性
「教職員定数の見直し」「部活動支援員やスクール・サポート・スタッフ、スクールロイヤーなどの配置」など、さらに効果的な取組を進めるには行政の支援を必要とする。今後も教育委員会など関係機関との連携協力体制を強化していく必要がある。
◆日高地区
▼働き方改革の推進状況
▽地区内の現状
2年度学校における働き方改革に関する道内調査における出退勤管理の実態では、「タイムレコーダーによる管理」が全体の7割を占めた。「その他」では、「管理職による確認等」と「自己申告等」がいずれも1割強となっている。
教職員の多忙・負担感に関する実態について、学校の運営にかかわる業務では、「個別の打ち合わせ」や「調査への回答事務」が半数を超えたものの、いずれかが突出しているという状況ではなかった。
生徒の指導にかかわる業務では、「部活動指導」が9割を占め、「授業準備」「学校行事」と続いた。
外部対応や校外での業務では、「保護者・PTA対応」が8割と突出した傾向を示した。
▽これまでの取組状況
道内調査におけるこれまで取り組んできた業務改善では、「勤務時間外に業務を命じた場合の勤務時間の割り振り」「長期休業期間内における一定時間の学校閉庁日の設定」「ガイドラインに沿った部活動の活動時間や休養日の設定」が約9割と上位を占めた。これらを選択した学校は、いずれも成果のあった取組としても挙げている。
また、「研修や諸会議の内容の精選と時間短縮」「学校行事(家庭訪問なども含めた)の精選・縮小」「校務分掌の均等化や担当業務の工夫改善」は5割から6割の実績であるが、取り組んだ学校はほとんどが「成果があった」と回答している。
働き方改革を進めるために必要な事項としては、すべての学校が「教職員定数の見直しや給与待遇改善、予算拡充」を選択したほか、「部活動指導員やスクール・サポート・スタッフ、スクールロイヤーなどの配置」「指導方法工夫改善や初任者研修制度等に対応した教員の加配措置」が上位を占め、業務に見合うだけのスタッフ配置になっていない状況がうかがえる。
▼具体的な取組
▽日高地区の取組
日高地区校長会では、元年度に管内の働き方改革にかかる現状を把握した上で、「最低月1回の定時退勤日の設定」を管内共通テーマに掲げ、取組を進めてきた。
1年以上にわたる継続的な取組から教職員の意識が高まり、定時以降の退勤が徐々に浸透している反面、学級担任と副担任との業務量の差によって、退勤できる教職員とできない教職員が2分化される等の課題も散見される。
▽各市町村の取組
日高管内全7町では、道教委の学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」を受け、それぞれ、学校における働き方改革「〇〇町アクション・プラン」を策定している。それに基づき、各校では主として部活動指導にかかわる負担軽減と勤務時間を意識した働き方の推進が、また、町教委段階ではICTの整備や留守番電話による対応、メンタルヘルス対策等が進められている。
▼成果と課題
▽成果
部活動については、管内的にアクション・プランに沿ったものとなっている。
勤務時間を意識する職員が増え、退勤時間は総体的に早まっている。
▽今後の課題や方向性
根本的な解決として教職員定数の見直しを考えている会員がほとんどで、今後も町教委との連携が必要である。
(関係団体 2021-02-24付)
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