根室教育振興会　デジタル教材　地域理解し支える人材に　日本遺産「“鮭の聖地”の物語」を解説

（関係団体 2021-03-05付）

根室教育局ホームページで公開している

　【釧路発】根室教育振興会（事務局・根室教育局）は、管内１市３町にまたがる日本遺産「“鮭の聖地”の物語～根室海峡１万年の道程」に関するデジタル教材を根室教育局ホームページで公開している。昨年、日本遺産に認定された物語を子ども向けに分かりやすく解説したもので、管内の自然、伝統・文化、産業等を学習できる。根室局は「地域を学び、理解することで管内を支える人材の育成につながってほしい」と期待している。

　日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じてわが国の文化・伝統を語るストーリーとして文化庁が認定しているもの。現在、１０４のストーリーが認定されている。管内１市３町連名で申請していた「鮭の聖地の物語」は、昨年６月に認定を受けた。

　根室教育振興会は、小学３～６年生向けのデジタル教材を制作。㈱メディカルシステムネットワークをメーンスポンサーとして、地元の団体、企業から支援を受けた。

　教材は、鮭、文化、産業にかかわるストーリーや、それを語り継ぐ有形・無形遺産を紹介しているほか、関連した歴史・漢字のドリルを用意し、知識の定着を図ることができるようにした。また、ストーリーごとにまとめた一般向けのコンテンツを掲載している。

　事務局の根室局は「子どもたちが地域を学び、理解することによって、ふるさとへの愛情や誇りを育み、将来、管内を支える人材の育成につながってほしい」と期待している。

　デジタル教材は、根室局ホームページ・トップページのリンクバナー最下部から閲覧できる。

　根室局は、デジタル教材を監修した標津町教委の小野哲也主幹の解説を加えた映像を制作し、「Nemuro　Online　Seminar～日本遺産“鮭の聖地の物語”」と題しウェブ会議システムZoomで配信。日本遺産に申請したストーリーごとに、１回３０分の講座を１日２回、計８回配信した。

　講座は、日本遺産「鮭の聖地の物語」にまつわる史跡等の学習のみならず、障がい者の生涯学習の機会創出を図るもの。「肢体不自由によって現地に赴くことができない」「聴覚障がいによって学芸員の解説を聞けない」などへの合理的配慮を検討し、オンラインによる実施や、学芸員の解説映像に道ろうあ連盟の協力を得て手話通訳をつけ、テロップを入れるなどの工夫を凝らした。

　参加者から「オンライン配信のみで終わらせるのはもったいない。ホームページや動画共有サイトYouTubeに掲載して、一人でも多くの方に視聴してもらえるとよい」といった声が上がったため、仮称・根室教育局YouTubeチャンネルに掲載する予定となっている。

(関係団体 2021-03-05付)