英語教育CAN―DOスタンダード 小中高つながりで目標を 5領域で継続性ある学び 札幌市教委
(札幌市 2021-02-26付)

 札幌市教委は、英語、外国語教育における札幌CAN―DOスタンダードおよび活用ハンドブックを作成した。小中高つながり編、小中つながり編の2種類において、各校種、学年ごとに「聞くこと」など5領域で目標例を示した。活用ハンドブックでは、校種間のつながりを意識したCAN―DOリストの作成に向け、小・中学校間での積極的な情報共有を求めるなど、一貫性・継続性のある円滑な学びの実現を目指している。

 国の英語教育の在り方に関する有識者会議のうち、平成26年の「今後の英語教育の改善・充実方策について~グローバル化に対応した英語教育改革の5つの提言」では、新学習指導要領における改善の方向性を提示。小・中学校、高校を通して各学校段階の学びを円滑に接続させること、「英語を用いて何ができるようになるか」という観点から一貫した教育目標を示すことを報告している。

 市教委はこれを踏まえ、令和2年度、市英語教育改善プランを策定。プランでは児童生徒が英語でコミュニケーションを図る資質・能力を育成するため、CAN―DOリスト形式での学習到達目標の整備などを重点に推進している。

 新学習指導要領に基づき、各学校の児童生徒の実態に応じて活用できるよう、市立学校の教員からなる研究部会を発足。札幌CAN―DOスタンダードとして、学習到達目標を設定した。

 今回作成した札幌CAN―DOスタンダードは、①小中高つながり編②小中つながり編の2種類。学年ごとに聞くこと、読むこと、話すこと(やり取り)、話すこと(発表)、書くことの5領域において、明確な目標を示した。

 うち、①は新学習指導要領を基に作成。各校種間のつながりをとらえることができるものとした。

 ②は、教科用図書(東京書籍)における単元の流れに沿って整理。各学期末の学習到達目標や小・中学校で共通している題材の実施時期が確認できる。

 札幌CAN―DOスタンダードと合わせて、活用ハンドブックも作成。CAN―DOリストを軸に「学校内」「校種間」「児童生徒」の3点で共有することを求めている。

 特に校種間では、市の小中一貫した教育に基づき、学習到達目標、指導内容、指導法、評価方法の4つの一貫性や系統性・継続性に配慮し、円滑な接続を心掛ける必要性を示した。

 具体的な例として、小学校卒業時から中学校に向けて、校種間の接続を踏まえた学習の在り方、ICT活用実践例の交流、児童生徒の交流学習の機会の設定など、小・中学校間の情報提供や連携などを提示。小学校間、小・中学校間のパートナー校間における情報共有によって、英語教育における小中一貫した教育の充実を図る。

 このほか、パフォーマンステストの参考資料、ICTを活用した学習活動例を記載している。

(札幌市 2021-02-26付)

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