1定札幌市議会代表質問ダイジェスト
(札幌市 2021-03-01付)

◆医療的ケア児の重層的支援体制を 障がい福祉サービス事業所等の支援

 2月24日の1定札幌市議会代表質問では、障がい福祉サービス事業所等の支援について質疑が行われた。

 国においては、今春の報酬改定で医療的ケアの必要性に応じた報酬体系を検討している。

 市は、これまでも児童発達支援や短期入所事業所などが医療的ケア児受け入れのために看護師を配置する場合や、医療機器等を購入する際に補助するとともに、支援者養成研修の実施を通じて、受け入れ促進に取り組んできた。

 また、昨年10月からは新たに事業所に専門医等を派遣し、子どもの状態に応じた支援方法などを指導助言する独自事業を開始している。

 町田隆敏副市長は「これ(独自事業)によって、医療的ケア児の支援を行う事業所を専門医等が支援する重層的な支援体制を築いていきたい」との考えを表明。これらの取組を推し進めることで、事業所等の体制整備を促進し、医療的ケア児や保護者の安心・円滑なサービス利用を支えていく意向を示した。

 かんの太一議員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

◆声をすくい上げ緊密な連携で防止 子どもの性被害

 2月24日の1定札幌市議会代表質問では、子どもを性被害から守る取組について質疑が行われた。

 市教委はこれまで、警察や児童相談所等の関係機関と連携し、性被害の未然防止等の啓発を推進。各学校においては、性に関する指導や情報モラル教育を通じて、性被害の防止に努めてきた。

 長谷川雅英教育長は「子どもが決して性被害の当事者になることなく、安心して自分らしく生きていけるようにするためには、性犯罪・性暴力の根絶に向けて、社会全体で取り組む必要がある」との認識を示した。

 特に子どもの場合は、「誰にも被害を打ち明けられないこともある」とし、今後、そうした声をすくい上げる仕組みづくりを進める考えを表明。被害者の支援に携わるNPO法人等とも緊密に連携を図り、子どもを性被害から守る取組を強化していく意向を示した。

 かんの太一議員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

◆活動内容等把握し中長期的な施策を 文化芸術未来会議

 2月24日の1定札幌市議会代表質問では、札幌文化芸術未来会議の役割について質疑が行われた。

 市は、文化芸術活動にかかわる人が新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を受けていることを踏まえ、文化芸術活動に携わっている人の現状、課題およびニーズ等の実態を幅広く把握するため、アンケート調査を実施。調査結果は、市が設置する札幌文化芸術未来会議などで、より効果的な短期および中長期の文化芸術施策を検討するための基礎資料として活用することとしている。

 石川敏也副市長は、文化芸術の振興のためには、アーティストや施設運営者など芸術活動にかかわる幅広い人への活動の分野や内容および課題等の把握が必要と認識を示し、市として、「未来会議での意見等も参考に今後の文化芸術に関する短期的および中長期的な施策を推進していく」と表明した。

 かんの太一議員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

◆繰越明許等活用し活動再開を支援 文化芸術等奨励

 2月25日の1定市議会代表質問では、文化芸術・スポーツ支援について質疑が行われた。

 市は、文化芸術活動の再開を後押しすることを目的に、昨年11月から文化芸術活動再開支援事業を実施。公共施設および民間施設の一定の要件を満たす施設の利用料の一部を補助している。

 石川敏也副市長は「市内では、昨年11月から新型コロナウイルスの感染が再拡大し、ことしに入って国内でも緊急事態宣言が発令された地域もある」とし、「文化芸術団体等が講演活動等を行いにくい状況が続いている」との認識を示した。

 その上で、「コロナ禍にあっても、文化芸術の灯を絶やさないようにするため、本年度の予算を繰越明許し、多くの文化芸術関係者に対し、事業の積極的なPRを行い、新年度も引き続き、活動の再開を支援していく」と述べた。

 わたなべ泰行議員(公明党)の質問に対する答弁。

◆保育環境向上へ財源・制度拡充を コロナ禍踏まえ

 2月25日の1定札幌市議会代表質問では、保育環境について質疑が行われた。

 全国保育園保健師看護師連絡会は、新型コロナウイルス感染症が流行した昨年5月、『保育現場のための新型コロナウイルス感染症対応ガイドブック』を作成。ガイドブックでは、保護者の送迎時、間隔を空けて待機することや、午睡の際、子ども同士の口元の間隔を1㍍以上空けるよう工夫することなどを呼びかけている。

 しかし、市内の保育所においては、昭和23年制定の児童福祉施設最低基準のままとなっている施設もあり、1㍍以上の間隔を確保することが難しい実態も散見されている。

 また、国が定める保育士の配置基準は、ゼロ歳児3人に対して保育士1人、1~2歳児6人に対して1人、3歳児20人に対して1人など。市はこれまで、独自に国の基準を上乗せして配置していたが、コロナ禍においては、消毒作業の徹底や子ども一人ひとりに対する検温など、保育士の負担が増大している状況にある。

 町田隆敏副市長は、これまでの市の取組として、国の基準を上回る乳児室の面積基準設定や、加配保育士の補助など、保育環境の質の向上を図ってきたことを説明。今後も引き続き、保育環境の質の向上に取り組むとともに、国に対して財源拡充を含めた制度の改善を要望していくとした。

 池田由美議員(日本共産党)の質問に対する答弁。

(札幌市 2021-03-01付)

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