渡島局 2年度教育実践表彰 10者が晴れの栄誉に(道・道教委 2021-03-09付)
【函館発】渡島教育局は、令和2年度管内教育実践表彰受賞者を決定した。学校教育では4学校4個人と1団体。社会教育で1団体が受賞となった。本年度は新型コロナウイルス感染防止のため、表彰式は行わず、11~12日、15日の3日間、谷垣朗局長が学校等を訪問し、表彰状を手渡す予定となっている。受賞者・受賞団体の概要はつぎのとおり。=敬称略=
◆学校教育
▼松前町立松城小学校(岩井栄一校長)=包括的な学校改善および松前町小中一貫型教育の推進
永年にわたり、校訓「みんなと一緒に“強く 正しく 美しく”伸びよう」の実現を目指し、「自ら学び、他を思いやり、健康・安全に気をつける子」の育成に取り組んでいる。
特に、基礎的・基本的な学習内容の定着に向け、指導内容の統一化を図るため、松城スタンダードを全教職員で共有・徹底するとともに、デジタル教科書やタブレット等のICT機器を効果的に活用した授業改善に取り組むなど、管内の教育活動の改善・充実に大きな成果を上げている。
また、平成30年度から書道を核とした松前町小中一貫型小・中学校の中心校として義務教育9年間の教育課程を編成し、観光教育や郷土芸能教育の充実にも力を入れ、その成果は高く評価されている。
▼函館市立湯川中学校(内山作校長)=家庭・地域と連携した教育活動の推進
永年にわたり、重点教育目標「確かな学びを通して自信をもち、未来の創り手となる生徒」の実現を目指し、生徒の学びと生活をつなげる指導の工夫と充実に取り組んでいる。
特に、チーム湯川中学校として全教職員が一丸となって包括的な学校改善に取り組むとともに、総合的な学習の時間「湯川学」では、地域の人的・物的資源を活用し、地域社会と連携を図りながら、生徒の主体的な学習を推進するなど、管内の教育活動の改善・充実に大きな成果を上げている。
また、小学校との連携を重視し、中学校区において目指す子ども像を共有しながら9年間の学びの連続性を重視した教育課程の編成にも力を入れ、その成果は高く評価されている。
▼函館市立五稜郭中学校(木村雅彦校長)=地域と一体となった教育活動の実践
平成28年の開校以来、重点教育目標「自立に向けた基礎・基本の定着」の実現を目指し、教育活動の質の向上を図りつつ、キャリア教育の充実に取り組んでいる。
特に、令和元年度から学校における働き方改革にかかる経営ビジョンを掲げ、教師が生徒と向き合うための時間を確保し教育活動の質的向上を図るととともに、生徒一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、その目標等を地域と共有を図り、広く発信するなど、管内の教育活動の改善・充実に大きな成果を上げている。
また、函館市で初のコミュニティ・スクールとして、学校運営協議会と連携・協働しながら地域と一体となった教育活動の充実にも力を入れており、その成果は高く評価されている。
▼函館水産高校(亀山喜明校長)=地域課題の解決に向けた体験的な学習活動の実践
永年にわたり、生徒の基礎的・汎用的能力を育成することを目的に、地域の水産業の発展や地域の水産資源の活用による地域の鉄道路線の活性化に向けた研究に継続的に取り組んでいる。
特に、多くの生徒が利用している道南いさりび鉄道と連携した活動では、鉄道利用者としての立場からばかりでなく、鉄道を活性化する側の立場からのアプローチをすることによって、地域社会の一員として活性化に寄与する意識をもちながら、具体的な課題解決を図っており、多くの成果を上げている。
また、地震の際の津波を想定した、防災意識を高める生徒主体の防災・減災教育に取り組み、被災地のひまわりを学校花壇に植える「ひまわりプロジェクト」や世界津波の日2019高校生サミットin北海道への参加等、その成果は高く評価されている。
▼山中賢(北斗市大野小教諭)=障がいのある児童生徒の主体的な取組の支援に貢献
永年にわたり、小学校および特別支援学校において、障がいのある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握し、生活や学習上の困難を改善または克服するための指導および支援に尽力してきた。
特に、平成27年度から、特別支援教育コーディネーターとして、通常の学級や特別支援学級の児童の教育的視点について学級担任への助言を行うとともに、関係機関と連携しながら、児童や保護者に寄り添った教育相談を実施するなど、校内の特別支援教育の充実に多大な貢献をしている。
また、北斗市特別支援教育専門委員として、就学にかかる業務を担うとともに、渡島特別支援研究会事務局員として、管内の特別支援教育の中核を担うなど、その取組は高く評価されている。
▼磯波理恵(函館市赤川中教諭)=書道教育および国語教育の充実・発展に貢献
永年にわたり、函館市青少年芸術奨励事業の実行委員をはじめ、令和2年度には函館市書写教育研究会副幹事長および函館書藝社事務局長を務めるなど、書道教育の充実に尽力してきた。
特に、書道関係団体の審査員として小・中・高校生の書道の作品の審査に当たるとともに、道書写・書道研究会函館大会における書道の研究授業や道国語研究大会函館大会における国語科の研究授業を行うなど、書道はもとより国語科全体の教育の充実に多大な貢献をしている。
また、学校独自の総合文化部の指導者として校内の文化的活動のけん引役となるとともに、部活動を通じた生徒の健全な心身の育成に寄与するなど、その取組は高く評価されている。
▼立花穣(函館市五稜郭中主幹教諭)=コミュニティ・スクールおよびキャリア教育の中心的役割として貢献
永年にわたり、コミュニティ・スクールの導入にかかる地域との連携の中心的な役割を担うとともに、平成28年度からは、主幹教諭として校内組織の活性化に向けて尽力してきた。
特に、令和元年度からは、同校のキャリア教育の全体計画作成に取り組むとともに、キャリア教育推進委員会の中心として、生徒一人ひとりが将来の社会的自立や職業的自立に向けて、自らの未来を見つめ、函館市民の一人として地域に貢献しようとする態度の育成に多大な貢献をしている。
また、校内フリースクールの開設・運用および放課後学習サポートの企画、立案など、不登校生徒への対応や学力向上への方策にかかる取組は高く評価されている。
▼辰野忠輝(函館五稜郭支援教諭)=知的障がい教育におけるキャリア教育の実践に貢献
永年にわたり、特別支援学校において、生徒の障がいによる学習上または生活上の困難を改善・克服し自立を図るための教育活動に尽力してきた。
特に、環境・流通サポート科における教科「流通・サービス」において、ビルメンテナンス協会等と連携し、生徒に清掃に関する知識と技能を習得させるとともに、近隣の公共施設等での実習を通じて、実践的な資質・能力を身に付けさせるなど、生徒の自立と社会参加に向けたキャリア教育・職業教育の充実に多大な貢献をしている。
また、全国障害者技能競技大会へ多くの生徒を出場させるとともに、ビルクリーニング部門において、金賞(厚生労働大臣賞)の受賞につなげるなど、その取組は高く評価されている。
▼函館市情報教育研究会・道南情報教育研究会ネットワーク(代表・長瀬雅一函館市あさひ小校長)=管内の情報教育の推進
永年にわたり、管内の情報教育の中核として、情報機器を効果的に活用した授業研究や放送教育を取り入れた授業の在り方について情報発信するなどの活動に取り組んでいる。
特に、平成28年度第68回道放送教育研究大会・第62回道視聴覚教育研究大会合同大会函館・渡島大会の開催に当たり、運営の中心として大会を成功に導くとともに、29年度からは、プログラミング教育を中心とした講習会を行うなど、管内の情報教育の改善・充実に大きな成果を上げている。
また、令和2年度は、児童生徒の学びを止めないためのオンラインを活用した学習支援を管内に広く発信するとともに、各種学習会を開催し教員研修の充実に努めるなど、その成果は高く評価されている。
◆社会教育
▼手芸サークル(福島町、住吉真弓代表)=手芸活動による生涯学習活動の促進
永年にわたり、手芸活動を通じて町民相互に交流を深めながら、生涯を通して学ぶ楽しさを共有することによって、潤いと活力のある地域づくりに取り組んでいる。
特に、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、町内の小・中・高校生の保護者を対象として開催した手づくりマスク講座において指導的役割を担うなど、子どもたちの成長を支える地域社会の実現に貢献している。
また、町内文化祭や、渡島管内芸術祭における意欲的な作品出展によって、地域住民に対して文化活動の参加機会や文化にふれる機会を提供する取組は高く評価されている。
(道・道教委 2021-03-09付)
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