5者の優れた功績たたえ 空知局 2年度管内教育実践表彰
(道・道教委 2021-03-10付)

 【岩見沢発】空知教育局は、令和2年度管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育では、滝川市立東小学校、滝川市立明苑中学校、岩見沢緑陵高校が受賞。社会教育では、北竜町子どもと高齢者のふれあい推進委員、元由仁町社会教育委員の吉田秀弘氏が栄誉に輝いた。近く、滝川市役所や岩見沢緑陵高、北竜町公民館、由仁町役場で表彰式を執り行う。各受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=

【学校教育】

▼滝川市立東小学校(高羅正次校長)=「教職員が協働的に包括的な学校改善を図るための校内組織体制の整備の推進」

 昭和53年4月に開校し、進んで考え、学び合う子、友だちや自然を愛する、豊かな子、粘り強くやり抜く、たくましい子という学校教育目標のもと、全教職員が組織的に機能する学校力の向上に大きな成果を上げている。

 特に、平成30年度から学校力向上に関する総合実践事業指定校として、教職員が一体となった包括的な学校改善を図る校内組織の体制整備を進めるとともに、メンター研修を活用した全教職員の指導力の向上の取組や授業スタイルの統一によるすべての児童が学びやすい環境を整える取組が高く評価されている。

 また、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて協働的な学習活動を積み重ね、令和元年度の全国学力・学習状況調査において全国平均を上回るなど、児童の学力向上に寄与する組織的な授業改善の取組として賞賛されている。

▼滝川市立明苑中学校(鎌田俊博校長)=「中1ギャップ検討委員会を中心とした、小・中学校の全教員による学習指導および生徒指導における連携体制の整備の推進」

 昭和22年5月に開校し、夢と希望をもち自立した子どもの育成という中学校区のコミュニティ・スクールビジョンのもと、小・中学校が連携した教育活動の推進を中核となって進め、大きな成果を上げている。

 特に、平成30年度から中1ギャップ問題未然防止事業の指定を受け、小・中学校が連携したいじめ撲滅集会の実施や中学校教諭の小学校への乗り入れ授業の実施による指導方法の共有など、中学校入学後の不安の解消に向けた生徒指導および学習指導の取組が高く評価されている。

 また、学校運営協議会を中心に地域社会や保護者と連携した児童生徒の見守り活動や旗の波運動など、中学校区での交通安全指導の取組は、地域に開かれた学校づくりの取組として賞賛されている。

▼岩見沢緑陵高校(宮澤一校長)=「地域探究型課題研究の実践およびICT機器の積極的な活用による教育活動の実践」

 自らみつけた地域の課題を解決する地域探究型課題研究や、教育の質の維持をねらったICT教育の実践を重点に、地域のよさを学び地域社会の発展に貢献できる人材の育成を目指した学校経営に成果を上げている。

 特に、課題研究では、学校内外合わせて800人を超える参加者を得た課題研究発表会を開催するとともに、地域住民との協働や小中学生との積極的な交流を推進し、地域から信頼される学校づくりの取組として、高く評価されている。

 また、ICT教育の推進については、授業の動画配信や双方向会議システムによるオンライン授業、ホームルーム活動などの実践を進め、授業改善とコロナ禍においての学びを止めない指導の在り方の充実に向けて、管内の先進校となって取り組んでいる。

【社会教育】

▼北竜町子どもと高齢者のふれあい推進委員=「異世代交流を通した“ひとづくり・つながりづくり”の推進」

 昭和58年に発足して以来37年間にわたって、小学生を対象とした農園での野菜の播種・収穫作業体験、餅つきやかまくらづくりなどの自然探索遊び体験等の事業を実施している。

 事業には、年間で延べ150人以上の小学生が参加しており、高齢者のもつ豊かな経験と多彩な能力が異世代交流を通して子ども達に継承されており、高齢者に対する尊敬と思いやりの心を育てることに寄与しているとともに、参加する高齢者にとっても喜びや生きがいづくりの場となっている。

 また、子ども会・少年団や商工会などと連携して事業を行うなど、地域住民の新たなつながりを強める地域活動として高く評価されており、“ひとづくり・つながりづくり”が求められる町の社会教育事業にとって、ふれあい推進委員は、なくてはならない存在となっている。

▼吉田秀弘=「広域連携による社会教育の振興と地域のスポーツ活動や文化活動の推進」

 昭和57年から馬追太鼓保存会に所属し会長を歴任するとともに、平成2年からは、由仁町体育指導員およびスポーツ推進員を務めるなど、地域の文化振興およびスポーツ文化の発展に貢献している。

 また、平成15年からは、由仁町社会教育委員として、町内の社会教育の振興はもとより、南空知近隣4町における社会教育委員の交流を推進するため、「よんまちネット由南長栗(ゆなーく)」の設立に携わり、広域連携による地域づくりに積極的に取り組むなど、その活動は高く評価されている。

 現在は、総合型地域スポーツクラブや馬追太鼓保存会の活動を通して、青少年の健全育成と伝統芸能の伝承に寄与している。

(道・道教委 2021-03-10付)

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