第1回 札幌市中学校長会 各部の2年度 研究成果 小中一貫 ロードマップ作成 研究部 主体性・協働性の追究継続(札幌市 2021-03-11付)
札幌市中学校長会は、研究部や管理部など7部における令和2年度研究成果をまとめた。研究基本主題「新たな未来を紡ぎ、よりよい社会を創る力を育む札幌市中学校教育」のもと、各課題について調査研究を推進。各部における研究概要を連載で紹介する。
第1課題「新たな未来を紡ぎ、よりよい社会を創る力を育む教育課程―自立に向けて主体的にかつ意欲的に学び、他者と協働することで、ともによりよい未来社会を形成する力を育む教育課程の充実」
▼研究の視点
▽確かな学びを培う教育課程
▽豊かな心を育む教育課程
▼研究内容(一部抜粋)
3ヵ年継続研究の2年次である本年度は、中学校新学習指導要領の全面実施を来年度に控えた時期に当たる。
前年度(第1年次)においては、3ヵ年の継続研究を通した検証に当たり、研究仮説を「自立に向けて、主体的かつ意欲的に学び他者と協働する生徒を育む教育課程を編成し、学びの過程を適切に評価すること、確かな学びと豊かな心の育成の継続を意識した校種間接続に取り組むことで、新たな未来を紡ぎ、ともによりよい社会を創る力を育むことができる」と設定した。
これを受け、具体的な調査研究項目①校種間接続②学習評価③特別の教科 道徳―の3項目に設定した。
本年度(第2年次)の研究仮説は1年次を踏襲しながら、新型コロナウイルス感染症の影響による教育活動の縮小という特殊な事情を考慮し、調査研究項目の設定について絞り込みが必要と判断した。
2年次の研究では、義務教育9年間を見通した小中校種間接続(小中一員した教育)についての取組を重点とし、新学習指導要領の全面実施に向けた授業改善、指導と評価の一体化、評価の在り方も含めながら研究推進を進め、新学習指導要頷でいうところの「学校段階間の接続」に当たる校種間接続について深めることとした。
中学校においては、小学校教育までの学習成果が中学校教育に円滑に接続され、義務教育の最終段階までに9年間を通し育成する資質・能力を確実に身に付けることができるように工夫することが強く求められる。
校種間接続については、札幌市学校教育の重点の中でも推進を図ることが記載されている。
それを受け、各校では学校課題として明確に位置付け、学校教育目標や教育課程などについて交流が始まっている。
これら要点を確認した上で、4つの項目について研究部内での記述式アンケート調査を実施し、現時点での関心事項を確認しつつ、研究仮説の検証に迫ろうと考えた。
▽アンケート調査1「義務教育9年間を見通した教育課程編成上での“学ぶ力の育成”“健やかな体の育成”“豊かな心の育成”に関わる取組」について
義務教育9年間を見通した教育課程編成上で「学ぶ力の育成」「健やかな体の育成」「豊かな心の育成」にかかわる取組について、小中校種間の円滑な接続を実現するためには具体的にどのようなことが重要と考えるか。
▽アンケート調査2「小中一貫した教育を推進していく上での教職員の動機付けと校内体制づくりに向けた工夫」について
小中一貫した教育を推進していく上で、教職員の動機付けが必要であり、そのための体制づくりは重要と考えられている。小中一貰した教育の実現に向けて、教職員のモチベーションを高めるためにどのような工夫が必要と考えるか。
▽アンケート調査3「小中一貫した教育コーディネーター配置事業」について
小中一貫した教育コーディネーター配置事業が本年度から開始された。
本事業を効果的に活用するため、校長として具体的にどのようなことを目指し、どのようなことを重点とした取組を推進したいと考えるか。
▽アンケート調査4「“授業改善”“指導評価”“9年間で育成する資質・能力”」について
義務教育9年間を見通した教育課程の編成について「授業改善」「指導と評価」「9年間で育成する資質・能力」といった観点から具体的にどのようなことが重要と考えるか。
▼展望
本年度の研究は、3ヵ年継続研究の2年目として、新学習指導要領の全面実施を来年度に控え、実践に様々な制限がかかり、当初の予定どおりに進めることができない現状があった。
ただ、そのような状況下でも、自校の課題をあらためて見つめ直し、小中一貫した教育コーディネーター配置事業を効果的に活用しながら、パートナー校間における小中一貫した教育の推進に向けたロードマップを作成するなどの成果もみられる。
一方で、課題探究的な学習の学びの過程を見取る評価の在り方、新たに示された3観点による観点別学習評価と評定、9年間の義務教育による系統性を踏まえた小中一貫した教育の推進に関して、これまでの調査研究からも課題があることが明らかとなっている。
研究3年目となる次年度は、これらの課題に向き合いながら、これまで研究部が教育課程の編成に必要としてきた主体性と協働性を継続して追究することによって、確かな学びの培いと豊かな心の育成のための実践を進め、新たな未来を紡ぎ、よりよい社会を創る力を育む教育課程の深化へとつなげていくこととしたい。
(札幌市 2021-03-11付)
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