数学科 学力向上研修会 教材研究通し単元構築 上川局独自 記録・検証し改善へ(道・道教委 2021-03-16付)
授業改善推進チームの2教諭が講師に
【旭川発】上川教育局は2月下旬、上川合同庁舎で管内学力向上研修会(数学科)を開いた。上川局が独自に企画したもので、道教委事業による授業改善推進チームの2教諭が講師を務めた。管内中学校数学科担当教員22人が参加。育成したい資質・能力や単元の問いを明確化した単元構成・授業づくりについて協議した。
管内の数学科における課題を明らかにするとともに、授業改善の視点について理解を深めることが目的。実践発表や協議・演習では、旭川市立中央中学校の沼澤和範教諭と旭川市立神居東中学校の早川裕章教諭を講師に迎えた。
両教諭は、道教委の授業改善推進チーム活用事業における推進地域・旭川市の授業改善推進チーム員として、本年度から市内中学校を巡回。地域全体の数学の授業改善に取り組み、本年度は600を超える授業を参観してきたという。
義務教育指導班の菅野裕介主任指導主事が管内の学力に関する現状や課題について説明したあと、沼澤教諭と早川教諭が実践発表。
沼澤教諭は、多くの授業改善にかかわる中で感じたこととして、「生徒がつまずかないよう丁寧に説明して授業を進める先生」「生徒の声をもとに授業を進める先生」の2通りに指導が分かれることを紹介。両者のよい部分を取り入れた授業改善を進めるため、授業後の振り返りだけでなく、授業前の教材研究でしっかりと単元を構築することの重要性を伝えた。
続いて早川教諭が、巡回中の授業でみられた生徒の姿をもとに、授業改善の視点を説明した。
授業前に行う教材研究のポイントとして、まず単元の問いや目的を明確化し、生徒の学習への必要感につなげることの重要性を強調。そのために、学習指導要領の読み込みや教科書比較などを通して指導内容・系統性を教員が理解しておくことの大切さを伝えた。
単元の学習後に「なっていてほしい生徒の姿」を考えた上で大まかな単元計画をイメージし、数学的な見方・考え方を働かせた数学的活動を具体的に位置付けながら、小単元ごとの学習活動を考えていく単元構築の流れを示した。
さらに、授業後における改善のポイントを提示。授業中の生徒の反応や実態を改善点として記録に残し、一連の数学的活動が目標達成のために働いたかどうか検証するよう呼びかけた。
沼澤教諭は、事業を通して「授業改善は、授業後に“生徒の反応が薄かったから、つぎはこうしよう”というだけの簡単なものではない」と実感したことを紹介。ねらいや意図に立ち戻って授業を構築していくことの大切さを伝えた。
このあと、参加者が持ち寄った指導案をもとに協議・演習。グループに分かれ、「単元を通して生徒にどのような力を育成するか」との視点から、ねらいに正対した授業づくりについて検討した。
(道・道教委 2021-03-16付)
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