札幌市養護教員会 元年度研究紀要はぐくみ 日常執務の交流に焦点 第4回 清田ブロック 働き方改革(札幌市 2021-03-26付)
【キーワード】
体制づくり 緊急時対応のマニュアル 教職員の連携
【研究内容】
▼医療機関の情報交流
それぞれがもっている病院の情報「お勧めポイント」などを事前アンケートで出してもらい、一覧にまとめたものを見ながら全体で交流した。
また、交流で挙げられた病院について住所や診療時間などを調査し、データ形式で配布した。
▼6月「前年度の交流を生かした健康診断」
健康診断の交流では、分かりやすくスムーズな健診や仕事のスリム化について、工夫等を交流した。交流を受け、本年度の健康診断について、事前にアンケートを取って、「取り入れたこと」、ヒントを得て「変更したこと」、交流で刺激を受け「新たに行ってみたこと」などが出てきた。それをもとに全体交流を行った。
〈交流の内容〉
▽内科・心電図
女子のみならず、男子のプライバシーにも配慮した(ジャージを羽織る、衝立で隠す)。
結果の伝え方を校医と相談し、つぎの子に分からないよう工夫した。
静かに行えるよう会場に入る人数を減らした。
衝立を駆使したり、のれんを使用したりして、「待つ、脱ぐ、診察、着る」のスペースをつくった。
▽歯科
待ち時間を利用し、プレゼンテーションソフト(検査の目的・方法、記号の意味、前回の検診の様子)を見せたところ、静かに待っていた。
▽回数や実施時期の変更
3回行っていた2計測を2回に減らした。秋の視力検査をやめて、保健だよりに「希望があればいつでもできる」と記載した。
▼7月「執務の工夫」
事前に、①治療勧告書に添える一言(健康診断項目ごとに)②電話連絡の際に気を付けていること(自由記述)③便利グッズ、お勧めグッズ―についてアンケートを取った。その後、治療勧告書に添える一言を健康診断の項目ごとに、電話連絡の際に気を付けていることはポイントごとに分けてまとめた。まとめた内容から気になったこと、詳しく聞いてみたいことなどを全体の中で掘り下げて交流した。
▼9・10月「校外で行われる行事の準備について」
事前に下記の項目についてアンケートを取り、その結果を集計した。9月は3グループ(小学校2、中学校1)に分かれ、①救急バッグと嘔吐処理セットの軽量化②健康情報の取扱い③養護教諭が引率する場合としない場合の準備の違い―の3つについて交流を行った。翌10月には、グループ交流のまとめをみながら全体で交流した。
▽全体交流・討議の内容(一部抜粋)
①救急バッグと嘔吐処理セットの軽量化、養護教諭が引率する場合としない場合の違い
引率者用の救急バッグは負担にならないよう、なるべく軽量化を図りたい。三つ折りタイプは小さく軽量でよいが、高価なので徐々にそろえられるとよい。
小学校と中学校では随分違うことが分かった。
②健康情報の取扱い
誰が保管していても紛失の可能性はある。校外に持ち出すこと自体が危険であるため、日中は学校、夜間は管理職の自宅で保管するのがよいのではないか(保護者に連絡を取る際は、夜中であっても管理職に連絡するため)。
個人の携帯電話で連絡を取ることは好ましくない。
【研究のまとめ】
本研究を始めるに当たり、研究の進め方について工夫した。少人数グループでの交流・討議は、内容の濃い活発な話し合いとなり、得られる情報も多い反面、他のグループの討議の内容が分からなかったり、聴いてみたい先生の話を聴けなかったりと歯がゆい思いをすることもある。
そこで、グループ交流・討議の翌月に、グループごとにまとめたプリントを見ながら行う全体交流の場を設けることにした。全体へフィードバックし、さらに交流・討議を深めることで、プリントでは分からなかった部分の理解と、より一層新しい知識の習得ができるという流れをつくった。「ブロック会を欠席しても、研究で話し合われた内容がよく分かり勉強になった」との仲間の声からも大切なプロセスであったと考える。
一人職である私たちは、転勤するとき以外に他校のやり方を知る機会が少ないため、今回のような日常執務の交流・討議に焦点を当てた研究は、非常に有意義なものだった。
これからもみんなの知恵を交流し、仲間から刺激をもらいながらより良い保健室経営を目指して働き方改革を続けていきたい。
(札幌市 2021-03-26付)
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